【▼前回】
彼女は矢吹ジョーを愛していた。
それは一体いつからなのか?
その告白したシーンと、出会いをまとめた【前編】であるが思い返せば思い返すほど…
理解できない。
どこを好きになったんだ、この男の。
詐欺に合い、裁判所で出会い、少年院でボロカス言われる。
しかも言われる話もバカやアホと言われた訳ではない。
マジでヒドイ。
前回の紀ちゃんの時も相当ヒドかったけど、葉子に対しての方が全然ヒドイ。
【▼紀子編】
と、ジョーが葉子にどんだけヒドイ事をしたか?というのをまとめるとほぼ最初から最後までじゃね?と思われるので今回は検証方法として単行本最終巻の20巻からさかのぼり、いつからジョーの事を好きだったっぽいのか?という事を考えていきたいと思います。
☆いつ好きになったのか?【1】
・【20巻 告白の葉子】
「すきなのよ矢吹くん あなたが!!」の直後から始まる最終巻。
当然葉子はジョーを愛している。
抑えてる扉から「おいジョーどうしたあけろ!」と段平が扉を叩く。
ヒロインの告白後に扉を開けないのが「あしたのジョー」
扉を開けたうえに視聴者も震えるくらい恐ろしく気まずくなるのが
愛・おぼえてますかだ。
劇場版マクロスも劇場版あしたのジョー(2)もどちらも超名作。
見た事ないアナタは…TSUTAYAで借りて視聴するべし!!
【20巻判定:好きなのよ】
・【19巻 好きなのよ矢吹くん あなたが!】
この記事の最初に説明したシーンは19巻。
涙を流し告白する葉子。当然ジョーが好き。
偉大なるチャンピオン、ホセに挑む前のジョーの返事は「ありがとう」だった。
これがもし、まだ少年院に居た頃の荒れてたジョーだったら
とか言ってたのかなぁ。
・【19巻 ジョーの健康管理】
葉子はハワイのパンチドランカーの権威、キニスキー博士にジョーがパンとドランカーではないか?という事を調べてもらっていた。(しかもくどいまでに)
それはなぜなのか。そう。好きなのよ矢吹くんだから。
だが、キニスキー博士は「完全ナ健康体」だと言うが…
「いいえ彼は完全なるパンチ・ドランカーです!!」と博士相手に誤診だと言う。医者でもないのに。
だが、結果ジョーはパンチドランカー一歩手前。
パンチドランカーの権威ドクター・キニスキーの診断より葉子の愛が勝利してしまった。
・【19巻 説得を試みる葉子】
「わたしが矢吹丈を説得します」
パンチドランカー一歩手前のジョー。
そんな状態でホセと試合をしたらどうなるかは簡単に想像できる。
ジョーを廃人にしないため、葉子はジョーに説得を試みる。
●電話
シカトされる。
●手紙
段平は目を通すものの(内容にはジョーがパンチドランカー症状が出てるとまでは書いていない)…
もちろんシカトされる。
●来訪
ジムの外でジョーが現れるのを待つも雨が降ってくる。
ジョーと段平は合宿に行ったとジムの者から言われる。
葉子は諦めて帰るが…
居留守だった。
そして、パンチドランカーである事を伝えるべく、チャンピオン戦の控え室まで行き、その事と自分の気持ちを伝えるのであった。
というか、紀ちゃんの数倍可哀想である。
【19巻判定:好きなのよ】
・【18巻 ジョーの変化に気付く葉子】
空港で野生のボクサー「ハリマオ」と喧嘩になるジョー。
黒服が何人も二人を抑えつけ、なんとか事は収まる。
だが、葉子は見逃さなかった。
「矢吹くんがああまでされておとなしくひきさがるなんてまるであなたのイメージではないわね」と。
付き合いの長い葉子。自分の知ってる矢吹ジョーはこんな事を我慢できる人間ではない。そう、彼からは「ハングリーさ」が消えていると気付く。
そのハングリーさを復活させるため、葉子はハリマオvsジョーの試合をセッティングする。そう。これも愛。
だが…葉子さん…ハングリーさが消えているといのは
あなたの思い過ごしではないだろうか?と思える勢いで葉子を吹っ飛ばすジョー。
ジョーの言い分としてはこんな人が多い空港でケンカできるかというただの正論だった。このころのジョーは悪さをしたら少年院ではなく刑務所に行くであろう年齢だと思われるしね。
そして…
好きな男子からアゴクイッをされる葉子。
きっと目まで閉じてドキドキしてるであろう。だが忘れてはいけない。
一度キレられて突き飛ばされている事を。
【18巻判定:好きなのよ】
・【17巻 水着の葉子】
ハワイの砂浜にてロードワーク中のジョーが出会ったのは葉子。
え!葉子はジョーに会うためにハワイにまで!?と思ったが、力石の墓参りの後に自分がハワイに行く事は伝えてあったのであった。
水着を着てサングラスをつけてバカンスな葉子。その辺から花を取り可愛さとセクシー差をアップさせ、ジョーに見せつける。
可愛いか可愛くないかは別として…。
・【17巻 食事に誘う葉子】
その後ハワイに居るジョーの元へ行き食事に誘う葉子。
意外にもジョーはあっさり承諾。立派なデートである。
段平さえいなければ。
きっと今こそ段平にムチを打ちたくてしょうがないハズの葉子。
・【17巻 散歩に誘う葉子】
「ちょっと海辺を散歩しない?」とやはり段平が邪魔だったみたいで、改めてジョーを誘う葉子。
意外にもジョーはあっさり承諾。今度こそ立派なデートである。
ハワイの海、砂浜を若い男女が夜、一緒に歩く。
それだけでもうロマンチックである。
少女漫画ならきっと抱きしめるし、エロ漫画なら押し倒すであろう。
そして少年漫画なあしたのジョーでは…
パンチドランカーの症状に気付く。
・【17巻 帰国する葉子】
ハワイから帰国するジョー達。
実は同じ飛行機に葉子も居た。
「おさきに矢吹くん」と一緒にいる段平はシカトでジョーに手を振る葉子。
そして、帰国したジョーを迎えたのは
ドヤ街のみんなだった。
ボクサーとしてどんどん地位が高まったジョーではあったが…
彼もドヤ街で悪さをしていた少年の一人であった。
ドヤ街のみんなを見ていると頭の中にずっといたチャンピオン「ホセ」の事も少し忘れられる。
みんなにお土産を渡すジョー。
付き合いに長いサチはアロハや花飾りをもらい、ジョーに抱っこされる。
そんな楽しそうにしているジョー。漫画では次のページをめくると「おさきに矢吹くん」とか言ってさっさと帰ってたと見せかけて…
何とも言えぬ表情にサチを見ていた。
・【17巻 もはや芸能人矢吹ジョー】
ホセに挑む前のジョーの人気はその辺のタレントよりあった。
テレビに出演するジョー、それを眺める子供達。
そんなジョーを画面越しに見て「雲の上の人だぜいまや…うれしいようなさびしいような」と言う。ジョーをテレビで見ていたのはドヤ街の子供だけじゃなかった。
葉子もテレビに出演する人気者ジョーを眺めていた。
ジョー表紙本集めすぎ。
【17巻判定:好きなのよ】
・【16巻 舞々を受けるジョーを見る葉子】
バンタム級東洋太平洋チャンピオンの「金 竜飛(キンリュウヒ)」に挑むジョー。
金は何度も立ち上がるジョーに奥の手「舞々(チョムチョム)」で決着をつけようと乱打。
右へ倒れれば左に返され、前に倒れそうになれば後ろに行くように殴られるジョー。
そんな舞々を喰らうジョーを観客席から葉子は見ていた。
立って。
葉子さん、ジョーをよく見たいのはわかりますが立ったら後ろの人が見えないヨ。
・【16巻 ジョーを心から心配する葉子】
「なぜタオルを投げないのです丹下会長・・・」と観客席からセコンドの所まで来ちゃった葉子。だが、葉子にはそうしなくてはならない理由があった。
ジョーは今回の試合、金竜飛戦のために過酷な減量をしていた。
そのこともあり、ジョーは本調子でないのもあったが、葉子からすれば違う心配事があった。
「力石くんはむりな減量を重ねはげしい打撃戦をくりかえしたあげくに死んでしまった」
「矢吹くんもいまそのおなじ道を歩んでいるんです あなたがたは矢吹くんを死に追いやるつもりなのね…!?」
激しい減量の末、あの力石徹は死んでしまった。
その同じ道を行くジョーを黙って見てられなかった。愛してるから。
そんな葉子の言葉を聞いて、ジョーは…
「力石…」
勝てる気がしないのに立ち上がるジョー。
それは「力石との友情」だという事を思い出す。(超要約)
結果からすると、この試合は葉子の言葉のおかげで勝利する。
だが、まだ自分がそのおかげで勝利するとも思ってなかったジョーは…
「うせろよ・・・」
「いちいち女がしゃしゃり出てくるんじゃねぇ」
葉子マジ可哀想。
【16巻判定:好きなのよ】
☆いつ好きになったのか?【2】
【16巻】→ 【19巻】
水をぶっかけられても「すきなのよ矢吹くん あなたが!!」だ。
これは、16巻以前に相当強くジョーに惹かれてないと不可能であると思う。
水をかけられても揺るがぬ愛…一体…この二人に何があったのか…。
・【15巻 隣に座る葉子】
16巻で戦う事となる金竜飛の試合を観戦するジョー。
「おとなりの席あいていて?」と現れる葉子。
「おっちゃんの席だよ」と空いてない事を教えるジョー。
シカトで座り込む葉子。それはきっと愛のなせる業。
東洋チャンピオンに挑むジョーではあるが、葉子は気付いていた。
「勝算もないのになぜそんな無謀な挑戦なんかするの?」
ジョーを愛している葉子であるからこそ、金相手に勝算がない事もまた分かる。
だが、ジョーは言う。
「ことわっておくが勝算はあるぜ」
勝算はある、と言うジョー。その内容は…
無しに等しかった。
そしてそんなジョーの勝算内容を聞いた葉子は…
「から元気・・・」
と、正論をぼそりと言うと…
ジョー、言い返してはいるが「数週間後にはおれは東洋のチャンピオンだっ」とで?勝算は?と問いたくなる事を大声で言い…
勝算について全く返事ができないジョーはその場に居づらくなったらしく、ここで紀ちゃんがよく使っていた…
さっさと帰る作戦発動で、その場を去る。
・【15巻 試合前に控え室へ行く葉子】
金竜飛との試合ももうすぐ。
葉子は花束を持ってジョーの控え室へ向かうが…
ジョーはご機嫌ナナメだった。
ちなみに、ジョーと葉子は15巻の時点で…
ジムの後輩からは小指で「コレ」とか言われ「相思相愛かね」と思われている。
だが、ジョーは…
「あんたも女だてらにボクサーの控え室なんぞにしゃしゃり出てくるんじゃねえよ」
「うちへ帰ってくまのぬいぐるみでもだっこしてた方が似合うと思うがな!ええ?」
と、葉子を追い返す。だけならまだしも「くまのぬいぐるみでもだっこしてろ」などと訳の分からない代案を出す。このジョーの代案が基本的に雑なのは紀ちゃんの時と変わってないらしい。
そんな「帰ってくまのぬいぐるみ抱いてろ」に対し葉子は…
「ええ…そうするつもりよ」という返事にさすがのジョーもビックリ。だが、これは無謀に金に挑むジョーを見たくない葉子なりの気遣い。
「矢吹くんにとってははじめてタイトルに挑戦するたいせつな試合なのにもうしわけないけど 今夜はわたし帰ります」と…
さっさと帰る作戦だった。
と、見せかけて見てた。
【15巻判定:好きなのよ】
・【14巻 ファイトマネー支払いと「気持ち」の葉子】
カーロス・リベラとの「世紀の一戦」後、中々ファイトマネーの半分を取りに来ない丹下ジム。その代理で来たのはなんとジョー。
サラサラっと小切手を切る葉子。
受け取るジョー。美味しく紅茶を飲む葉子。
スマートな雰囲気葉子であったが、ジョーは気付く。
「こりゃあおかしいな…おれのファイト・マネーの半額がこんな大金だとはとんでもないまちがいだぜ しっかりしなよ財閥令嬢!」と、言うが葉子の返事は「いいえ まちがいじゃないわ・・」
そんな大金には理由があった。
「それだけとってほしいの・・・わたしの気持ちとして」
愛。葉子 愛。(`・ω・´)
カーロスとの試合、会場は大いに盛り上がる。
そして力石没後のイップスからも抜け出したジョーへの気持ち。
葉子はそれをファイトマネーという形でジョーへ渡す。
「矢吹丈はやつと打ちあったことによってぼろぼろにきずつき虚脱したぬけがらのこっただけだ あんまりかわいそうだから契約額の数倍のファイト・マネーをほどこしてあげよう・・・か」と、卑屈すぎる推理をし…
キレる。
「なぜあんたと会うたびまともに話しあいまともにわかれることができねえんだ!」と大声をまき散らす。その答えは君に問題があるから、だと思うのだが?
違うみたい。
ジョー的には「女の分際で男の世界に入り込みそっとしておきたいものをいじくりすぎるから」だそうだ。いや…僕は君の発言・行動に問題あると思うが?
とにかく私から言えることは…
葉子マジ可哀想。
・【14巻 ジョーの変化に葉子】
そこにはテレビ局やら他のジムやら関係者もたくさん。
そこにも現れる葉子。普段はこういったパーティーには参加しないらしいのだが…
「もっとも矢吹くんの会でなければこうした同業者の集まりには出席しないことにしているけど」と、14巻では既にすきなのよ矢吹くん あなたが!!で、あるみたいだ。
そう聞いたジョーも「それはそれは光栄のいったりきたり」と「栄光の至り」でふざけてみちゃうくらい悪い気はしてない様子。
そして、葉子は気付く。
「矢吹くん・・・すこしふとったんじゃない?」
「いいえ ふとったというより なにかこうひとまわり大きくなった・・・」
「というかたくましくなったというか」
そう、ジョーガチ勢の葉子はすぐにジョーの体格の変化に気付く。
その葉子の気付きは確かで、その後「金竜飛」との試合の前に減量に悩むこととなるのだ。
そんなことより…
これのすぐ後だと言うのに普通に接しられる葉子…
あんたが一番たくましいと思うよ。
【14巻判定:好きなのよ】
・【13巻 カーロスとの試合を組む葉子】
ジョーの希望で前座だがカーロスとの試合を組んだ葉子。
決着はジョーの反則負け。
だが、カーロスはジョーとの試合の続行を希望。
そこで葉子は「日をあらためて本格的にやらせたらいいじゃないの」と提案。
カーロスのマネージャーロバートは乗り気ではないがカーロス本人はやる気満々。
「で…矢吹くんと丹下会長は… ああ あなたたちには聞くまでもないことね」と言い切る葉子。
この試合はジョーも葉子に感謝。そして後のホセに挑むにあたり大きな一歩となる。
これは私の偏見であるのだが、そんなことより…
こうにしか見えない。
・【13巻 ピンチの葉子】
カーロスは正式な試合前にジョーに会いたかった。
カーロスはジョーを探しているとドヤ街に辿り着き、みんなと仲良くやるために酒やらおもちゃやらをプレゼントして陽気な外国人と言った感じドヤ街に馴染む。
「丹下ジムはすぐそこだ 案内するぜ」とカーロス・ロバート・葉子を連れて行く。
あれ?葉子はどこ行った?と彼らの視線を追うと…
ピンチ!!
「えへへへ…きれいなねえちゃんだな おらとチュチュしねえかい」
「うひょひょひょひょ…逃げるなってばよ」と、男らが言ってるように葉子大ピンチ!!
本来ならば得意のシカトを決め込むかと思ったジョーだったが…
普通にキレてた。
ジョーが葉子に手を出そうとしていた奴らに怒鳴ったおかげで葉子はチュチュしなくて済む。
普段は超嫌なヤツなジョーであるが、たまに出るジョーの男らしさにきっと葉子もすきなのよ矢吹くん あなたが!!なんだと思われる。
・【13巻 シットの目だと言われる葉子】
カーロス達をジムに招くも、そこには洗濯物がズラリ。
記者たちが帰ったので油断していた紀ちゃんが洗濯物を干していたようだ。
「ごめんなさいね すぐ外に干しかえします」と紀ちゃん。
そんな葉子から見たらこのジムのセコンドなのか家政婦なのか何なのか見当もつかない紀ちゃんであるが…
これは私の偏見であるのだが…
こうにしか見えない。
だが、そう感じたのは私だけではなかったようで…
「あの葉子の目をごらんよ 紀ちゃんのことキッとにらんじゃってさ」
「ありゃまちがいなくジョーにホの字だね」
「シットの目だよあの目は あたいは女だからわかるんだ」
あのねえ、サチ…。
ご名答。さすがです。
【13巻判定:好きなのよ】
・【12巻 カーロスとの試合を組む葉子】
ジョーはカーロスとの試合を希望した。
だが、世界ランカーのカーロスとこの時の矢吹ジョーでは試合を組めるようなボクサーではなかった。
だが葉子、お金の力で解決。
カーロスも「オーケイオーケイベリグー」と喜んでいる。
そして葉子はジョーに「と 話がまとまってところで…しっかりね矢吹くん」と声をかける。
「へへへ 恩にきるぜ・・・」と素直に喜ぶジョーだが…
何かおかしいとは感じていた。
イップスに陥った自分が負けた相手をカーロスに倒させた。
そして、それをわざわざジョーを招待し、毎回見せつける。
それにはジョーも少し感じるものがあったようで…
「おれの意志とはべつにいずれこうなるように仕組まれていたような気がしないでもないがね 葉子さん」と、言う。
もし、これが葉子による好きな矢吹ジョーをカーロスを通じて奮起させるように仕組んだ事なら計画通りではあるのだが、どうなんだろうか。
そんなに上手い事行くのだろうか。(結果は上手く行ってるのだが)
ちょっとジョーの考えすぎじゃないだろうか?
私はたまたま、が、色々と重なっただけなのではないか?と思うのだが…
これは仕組んだ女の顔ですわと思いました。
【12巻判定:好きなのよ】
・【9巻 力石を殺して凹むジョーを見る葉子】
親友であり、ライバルであった力石を殺してしまったジョー。
彼の心はとにかく弱っていた。
誰かのために、何かのために泣く事などしなかったジョー。
そんなジョーが泣いたのは死んでしまった力石が「親友」だったと気付いたから。
そして、公園で一人どうしようもなく泣くジョーを
葉子は見ていた。
白木財閥の令嬢である葉子がドヤ街の玉姫公園に来る理由なんてない。
たまたま通りかかりましたには無理がある。
よってこれは好きなジョーを心配して、だと思われる。
・【9巻 バロンで会うジョーと葉子】
力石の死後、落ち込んでいるハズの二人がクラブで会う。
ジョーも不思議だし、葉子も不思議に思っているハズだ。
だが、この二人がケンカするには場所を基本的には選ばない。
「こんなところで酒にひたりぐちをこぼしおだをあげてる気楽な身分ではないはずだわ!」
「いま この場ではっきり自覚なさい 自分はリング上で死ぬべき人間なのだと!」
「あなたはいまリングをすてるつもりらしいけど…そうはさせないわ!」
「おそらく力石くんもウルフさんもゆるしはしないでしょう」
「わたしもだんじてゆるしません!」
この葉子に言われた言葉は後にジョーのボクサーとしての人生を決めさせたと私は思う。
再起不能にされたウルフ、死んでしまった力石は分かるけど…
何で葉子まで許さないのだろうか。それはやはり愛してる故厳しくなのだろうか。
そうは言ったものの…
最終的には愛の勝ちでリングにあげるのを止めたという。
【9巻判定:好きなのよ】
☆いつ好きになったのか?【3】
【14巻】→ 【19巻】
どこで好きになったのかが全然分からない。
ただ分かる事は葉子が何を言われてもジョーへの愛を貫いたという事だけだ。
けっこうヒドイことばっかり言われてるけど…葉子はSっぽいと見せかけて超ドMなのかもしれない…。
8巻で力石対ジョーの試合が行われる。
力石戦前の葉子は力石にピッタリひっついているのだ。
力石の減量と「白湯」のシーン。
むしろ読者的にはこちらのシーンのせいかは分からないけど葉子って力石が好きなんじゃないの?と思っていたハズだ。
作中彼はその減量のせいで亡くなってしまうので、それ以上の関係は無理がある。
だからと言って何故ジョーなのか。
しかも、扱いがとにかくヒドイ。葉子が可哀想。
だが、「すきなのよ矢吹くん」と言った事実は変わらない。
そこで力石にベッタリにだったと記憶していた「6巻」で重要な情報をゲット。
・【6巻 力石にも言われる葉子】
ジョーがプロテストを受けるも不合格になるという記事が新聞で取り上げられる。
「テスト不合格…さすがは矢吹 してやったりってところですね」と力石。
何だか嬉しそうな力石に葉子は「おやおや…」
「力石くんまでがそんな熱にようなことをいって…おどろいたわ」
「そういうおじょうさんがいちばん熱にうかされ矢吹をおそれているんじゃありませんか?」
と、言う力石。葉子が一番ジョーに熱にうかされている…
そんな事あるかは言われた後の彼女の表情を見ればわかる。
バレた。みたいな顔してる。
その後も平然を装うために強がってみせるも…
「かれがなんだっていうの くるってるわみんな!」と言うが、バレた。みたいな顔はより険しくなっていた。
【6巻判定:好きなのよ】
6巻以前に葉子がジョーを好きになるシーンがある?
ただ、力石にベッタリな葉子がジョーを明確に好きになったシーンなんてあっただろうか?
原作もかなり読んだと思うのだが劇場版の1・2を見すぎたせいで私の記憶から消えているだけだろうか。
私はそう思い「あしたのジョー」を読み返してみると…
該当シーンを発見した。
それは…
この記事のすぐ後の話だった。
力石とジョーが初めて戦うシーン。
単行本の3巻だった。
・【3巻 ’’何か’’に反応する葉子1】
力石はジョーを1ラウンドでなく「1分以内」にKOすると予告。
そんな予告KOに腹を立てるジョー。
だが、現段階の彼では力石にボクシングで全てにおいて劣る。
そこで段平である。
彼が葉子にムチを打たれてまでジョーに会いたかったのはボクシングの指導をしたかったからだ。
脱走失敗から力石打倒に燃えるジョーはこの時以前に段平からの通信教育ハガキの「あしたのためのその1:ジャブ」「その2:ストレート」は既に完璧にマスターしていた。
「打倒力石の秘宝パンチを!」
それこそが段平の通信教育「あしたのためのその3」だ。
普通に闘った所でジョーに勝ち目はないので、必殺パンチを伝授する事にする。
口で教えても伝わらないと思った段平は、ジョーに実践で教える事に。
実際に段平からそのパンチを受けたジョーは…
気絶。
だが、特訓をしていたとも思わなかった少年院の方々は葉子を貶した罰だと思い、段平をヒドイ保護者だと思う。
少年院の先生方も段平を「やりすぎだ」と言う。
ただまあこんだけやられても足りないくらいジョーは葉子に酷かった気もするが…。( ´ー`)y-~~
「こんなことされてはわたしの立場がないわ…さっきのかれの暴言などすこしも気にしてないのに」とあんだけ言われて気にしてないとか原作初期から異常すぎる強メンタルの持ち主だと読者に伝える葉子。
だが、段平は葉子のためにジョーを殴ったのではない、と説明。
「こいつあジョーのため…わしのため…」
「いってみりゃあ「あしたのために=その3」…だぜ」
「あしたのために…」
「あ…あしたの…うっ…」
ゴホッ
「このぶんだと…あ…あしたは…そう遠く…」
「なさそうだぜ…」ドスン
と、なぜだかジョーをぶっ飛ばした段平まで血を流し倒れる。
少年院にいた人らには何がなにやら。
葉子の連れて来た劇団員は言う。
「よ…葉子さん…とんだ気ちがいにかかわりあったようですよ…早いとこひきあげましょう」と、その通り。早く帰った方がいいよとしか思えないのだが…
「「あした」…といっているわね しきりに…」と葉子。
それが一体何だと言うのだろうか。
葉子は続ける。
「「すばらしいあした」はきょうという日をきれいごとだけ…おていさいだけととのえてすごしていては永久にやってこないわ」
「血まみれあせやどろにまみれきずだらけになって…」
「しかも他人には気ちがいあつかいをされるきょうという日があってこそ…」
「あしたは…」
「ほ…ほんとうのあしたは…!」
葉子、何かのスイッチがオンになる。
自分でも気づいていない「何か」に興奮気味。
それは一体なんだというのか。
ただ、段平の「あした」という単語から彼女は何かに目覚める。
それは一体なんだというのか。
葉子本人もまだ分からない。もちろん周りに居る人にも分からない。
それは一体なんだというのか…!!
そして葉子は気づいた。
周りのみんなが引いてる事に。
・【3巻 ’’何か’’に反応する葉子2】
目が覚めたジョーは特訓する。
「あしたのために=その3」を理解してきたという。
自分より格下のジョーを警戒しはじめた力石も特訓、その内容が…
猛牛を相手にし、殴るという特訓。
この漫画の動物は豚と言い猛牛と言い可哀想な役ばかりである。
「うしを相手にKOしたんや…」とジョーの「あしたのためにその3」でも通用しないかもしれないと驚く西。
力石もジョーを相手に手を抜くことはしない。
そんな二人の戦いが、始まる。
リングやグローブ、トランクスなどは葉子の白木財閥がこの日のために用意。
力石の準備は万端。やる気も十分。
そしてジョーの方は…
ヘッドギアもシャツもトランクスも全部サイズが合ってなかった。
元々白木ジム所属の力石のサイズは分かっても、ジョーのサイズなんて計ってもないんだから分かる訳がない。
段平も「こりゃひでえ…」としかコメントできてないし、少年院のみんなが笑っている。
これには葉子も笑う。
そんな葉子を見てジョーは…
あっ。
ああっ。
投げすぎ。
ゴングが鳴る。
「あしたのためにその3」を理解したジョーであったが…
やはり実力差は大きく、力石に何もできずボコボコにされる。
だが…
ジョーは立ち上がる。
何度殴り倒しても、ジョーは立ち上がる。
力石は予告していた「1分でKO」を実行できなかった。
だが、それを咎めるものは誰もいない。
力石より格下だと思っていたジョーは、何度殴られ何度倒されても立ち上がる。
その不死身さに誰もが驚いた。
猛牛相手に特訓をしていた力石を思い出す少年院の奴らは言う。
「猛牛特訓はだてじゃなかったな」
「血みどろのうしがジョーのやろうにかわっただけ…」
手おいの猛牛と手おいのジョー!
「ジョーなんざ猛牛ほどの威力もねえのに力石さんは猛牛を相手にしたときとおなじように足をつかいしんちょうにきょりをとりすぎている」
「予告した一分をはずされたときもやたら警戒してきょりをとるものだからパンチに決定的な体重がのらず あとひと息というところまでもっていきながらKOをのがした…ともいえるぜ」
「ジョーを買いかぶりすぎているんだよ…はがゆいぜ力石さんほどの実力のある人が」
と、観戦してる収容生たちは言う。
だが、力石の見立ては間違っていない。
彼は後に同じプロのリングで戦う所まで行く。
それどころかジョーはバンタム級の世界チャンピオンにまで挑む事となる。
力石が猛牛相手に特訓したのは、結果的には間違えではない。
そんな収容生の声を聞いた葉子は…
葉子、スイッチオン。
「いいえ 矢吹は猛牛」
「かれが打ちのめされたたきのめされて自分の血とあせとよだれによごれたマットにころがるのをわたしはなんども見つづけている」
「だのにこの…」
「このひたおしに胸をしめつける圧迫感はなんなの?」
「まっくろい雲がわきたつような…じょじょにせまってくる圧迫感はどういうことなの?」
問:いつからジョーの事を好きだったっぽいのか?
答:単行本3巻121ページから。
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ちがくね?
と、思われた方も多いだろう。
だが、この後の葉子にも注目してもらいたい。
力石とジョーの戦いは「あしたのためにその3:クロスカウンター」にて引き分けで幕を下ろす。
この戦いからジョーと力石の友情が生まれ、葉子の恋心も生まれる。
そして…
日曜日に演劇を見せるために少年院を慰問していた葉子だが、平日にふと現れる。
「わたしもう’’日曜日の人’’はやめましたの」
「ふだんの日…むんむんするような収容生のみなさんの生活のにおいにふれできることならお役にもたちたいと思って…」と言う。それって…
ジョーのコレが効いてる…?
と、見せかけて…
コレ以来ジョーが気になってしょうがない…のではないだろうか?
それはちがくね?
と思った方も居るだろう。
だが、葉子は少年院を訪れてからまず…
ジョーに会いに来ている。
農作業中のジョーに葉子は一体何の用があるというのか。
ジョーは葉子が自分に用があるとは思わないので力石の居場所を伝える。
だが原作初期のジョーは超嫌なヤツなので…
くわを思いきり振り…
葉子に泥をかける。
「やあどろがかかったかい しつれいしましたね」と言う発言がまた。
そして追い打ち、大声で怒鳴る。
なんと嫌なヤツなんだジョー。荒みすぎ。
だが、忘れてはいけない。
この時から異常な超強メンタル葉子は最終巻までジョーを愛しているのだ。
そんな葉子のとった行動は…
「あら どろがかかった?しつれいしましたね」
からの帰る作戦。
一番重要なのが…
用もないのにジョーに会いに来てたという事。
力石が可哀想だと思うが、用もないのに顔が見に行く辺りが愛なのだ。
不器用な二人であり仲良くする事ができる未来が浮かばないやり取りである。
だが、葉子的にはきっとそれでいいのだ。
葉子はこんな猛牛のような野生感あるジョーを愛しているのだ。
勝てない力石相手に野性的本能で何度も挑むジョー。
そんなジョーを見て葉子は「まっくろい雲がわきたつような…じょじょにせまってくる圧迫感(恋)」を感じていたのだ。
それはちがくね?
と、思った方も多いだろう。
だが、思い返してみると…
【単行本9巻】
ジョーがボクサーを辞めようとした時止めたのは葉子。
それはリング上での野生感溢れるジョーが見れなくなるから。
「わたしもだんじてゆるしません!」と強く言ってる。
【単行本12巻】
そんなワイルドさを取り戻しそうなジョーをリングへ復帰するために一役買ったのも葉子。
だが、これはジョーも「仕組まれてたような気がしないでもない」と気づく。
そう、仕組んだのだ。ワイルドな矢吹丈であってもらうために。
【単行本13巻】
そして結果的には矢吹丈は復活。
力石亡きあとに本気で戦えるカーロスとの試合をプロモート。
この試合と葉子のおかげで矢吹丈は完全復活する。
【単行本14巻】
カーロス戦後、ファイトマネーを大奮発する葉子。
その理由は「わたしの気持ちとして」とのこと。
その気持ちは(野生感溢れる)矢吹丈の完全復帰を祝してだと思われる。
【単行本15巻】
逆に減量に悩まされているいるジョーは自分の求めるジョーではないからか。
初タイトルに挑戦するジョーの戦いを見たくないと帰宅する厳しさまでも。(結果居たけど)
【単行本16巻】
そんなワイルドさが無くなってきていると感じていたジョーから水をかけられてもちょっと野生感溢れる怒り方だなと思ったのかその後普通に許しちゃってる辺りとか…
【単行本18巻】
かと思ったらやはりワイルドさがなくなっていたと気付く葉子。
「ああまでされてひきさがるなんてまるでイメージではないわね」と断言。
そう、ジョーのワイルドさにまっくろい雲がわきたつような…じょじょにせまってくる圧迫感(恋)を感じてる葉子にはすぐに解ったり。
【単行本19巻】
そんな自分の心を動かした矢吹丈が消えてしまう。
パンチドランカーとなり、廃人になったジョーはボクサーでもなければ野生感溢れる人間味、それどころか人としてマトモな生活すら送れなくなってしまう。
それだけは、どうしてもそれだけは避けたい葉子。
だが…
偉大なるチャンピオン、ホセ・メンドーサに挑む矢吹丈は良くも悪くも自分の知っている野生の本能のまま生きるボクサー矢吹丈であった。
葉子の愛した矢吹丈は、やはりあの力石徹と少年院で戦った矢吹丈。
自分のが倒したいと思った相手ならば、どんな状況であろうと闘うあの矢吹丈。
その矢吹丈を止める事は誰にもできない。
それはきっと、白木葉子本人が一番理解できているのかもしれない。
パンチドランカー症状に蝕まれているという事実を与えても、彼は止まらない。
それならば、本当に自分が戦うジョーを止めたい理由を口にするしかない。
そう思ったはずである。
「最近まで気がつかなかったけど」
そう、少年院で感じたあの不思議な感情が「恋」だとは本人も気付かなかった。
今までジョーにどれだけ怒鳴られ、嫌われてきたか分からないが、あの時葉子が感じた感情は間違いでも嘘でもなかった。だからこそ耐えられた。
だが、これからジョーが向かう所は「廃人となる運命」となるリング。
そこに上がれば自分の愛した矢吹丈はこの世からいなくなる。
彼は彼で自分が生きる道を少年院で葉子に「拳闘」だと気付かされた。
そんな「拳闘」で世界一強い男が自分を待っている。
葉子の目の前にいる矢吹丈。
それは少年院で力石徹と殴り合っていた頃と比べ、全てが大きくなっていた。
いつもと違うこと
それはこの時、葉子の気持ちは初めてジョーに届いた。
「ありがとう・・・」
これはこれからどんな運命を辿るか分からないジョーが葉子に言える一番の言葉。
チャンピオン、ホセは強かった。
少し優勢になる場面もあるのだが、やはりホセは強い。
段平はもうそんなジョーを見ていられなかった。
少しでも危ないと思えば、リングにタオルを投げ込むとジョーに言う。
だが…
ジョーはタオルを投げ捨てた。
そう、彼に棄権という考えはない。
いつだったか葉子に言われた通り「リング上で死ぬべき」人間だからだ。
そのジョーに投げられたタオルは…
葉子の目の前に落ちる。
「ああ…おじょうさん すんませんそこのタオルをとってください」と葉子に頼む段平。
葉子はそのタオルを拾い…
再び落とした。
タオルを拾わず、ジョーの所へ駆け寄り伝える。
「も…もうすこしじゃないの矢吹くん…がんばるのよ」
「あなたが…あの世界一強い男とどこまでりっぱに戦いぬくかこのリングの下から最後までしっかりと見とどけさせてもらうわ!」
「さあいいわね 力いっぱい打つのよ!渾身の力をふりしぼって…悔いのないようにしっかり打つのよ!」
「がんばるのよ…見ているわ矢吹くん」
ジョー対ホセの試合が終わった。
世界一の男ホセと戦い終わったジョーは…
笑っていた。
そして…
「葉子は…いるかい」
「ここにいるわ 矢吹くん…!」
ジョーは葉子にグローブをもらってくれと言う。
それが一体何を意味するのか。
ただ、ジョーの気持ちとしては
葉子にもらってほしいという事。
葉子は最後にジョーに全ての気持ちを伝えた。
だがジョーの返事は「ありがとう」という言葉だった。
試合が終わった後、ジョーは自分のグローブを葉子に託した。
それは一体どういう意味だったのか。
その答えはわからないが、私には
ジョーが葉子に心を開いた最高の場面だと感じた。