第93回・結局「ドラゴンボール」のベジータは悟空を越えたのか?【前編】
今の少年も今の大人も大好きなアニメ…
ドラゴンボールじゃないだろうか?
当時の人気っぷりは凄まじく、原作単行本は義務教育ですか?くらい男子みんなは読んだことがあると思われ、ファミコン、スーパーファミコン、プレステ、プレステ2…と、ゲーム機新しく出ても出てもとりあえずバンダイから発売されるゲームの数々。
1995年くらいに漫画もアニメも終了しているというのに何年経っても大人気。
これは勝手なイメージではあるのですが…
人気が再燃したキッカケは2度あったと思ってます!
15…16年前…?くらいだったと思うのですが…
アニメ、ZのDVD発売!
今では当たり前のように「Z」や「改」をDVDで見る事ができますが、ビデオ(VHS)が主流だった時、ドラゴンボールの映像は劇場版しかなかったのです!!
YouTubeもない、DVDもない…ドラゴンボールの話を追えるのは原作か大魔王復活か激震フリーザくらいだったのです!(個人的な意見です)
そして時を同じに登場した…
ゲーム、ドラゴンボールZ!
PS1で発売された当時最終作の「ファイナルバウト」は何が「ファイナルバウト」なんだ!?と感じたのも忘れませんが「あれがファイナルはちょっと…」と思ったのもまた事実。
このDVDボックスとPS2で発売されたドラゴンボールが最初のリバイバルブームのキッカケその1と個人的に感じております!
その後もPS2で新しいシリーズのゲームが出たり、アニメで「改」って旧作をリメイク(?)したようなのが朝から放送されたりと改めて復活を遂げたように思いました!
そして、今もまた愛されるドラゴンボールになったキッカケその2…
今から7年前…記憶にも新しいと思われる2013年…!
劇場版「神と神」
誰が予想できたことか!自分らが子供の頃にやってたアニメが大人になってからまた新作が公開されるだなんて!
きっと海外や日本のスターウォーズとかインディージョーンズのファンは同じ気持ちだったのだろう。Amazing!COOL!SUPERNOVA!!みたいな感じだろう。
もちろんドラゴンボール大好き少年の私は観た。旧作になってからTSUTAYAで借りて。
だが、その映画は中々衝撃的な内容であった。
相手はあの悟空が全くもって歯が立たない相手、破壊神ビルスという神。
見た目こそは猫のような感じで邪悪そうな感じはないのだが、とにかく強い。
強さの好奇心のみで挑んだ悟空は原作作中最強の姿「スーパーサイヤ人3」で闘うものの最初はデコピン1発で吹っ飛ばされ、春麗の挑発「ゴメンネ」みたいなチョップ1発で気を失わせてしまうくらい強い。
いやもう、強いとかそんな言葉で済ませてしまって良いのだろうか。
小学生が考案した「ぼくがかんがえた世界さい強のネコ。のう力は孫悟空も一発でころせる」みたいなデタラメな強さだ。
そんな世界さい強のネコ、ビルス様は【スーパーサイヤ人ゴッド】なる存在を探すため悟空不在の地球へと向かう。
悟空不在の地球で最強はベジータ。
だが、彼は悟空と違いビルスが一体何者なのかを理解していた。
あのベジータがビルスに気分よく帰ってもらうため、ヘコヘコする。
ビルスが機嫌を損ねたら殺される所の騒ぎではない、地球が無くなる。
たまたまブルマの誕生日を祝う会の最中に地球に現れたビルス様は初めて食べる地球の食事にとにかく満足だったみたいで結構上機嫌。
とくに美味しかったのは「プリン」だったみたいで、そのプリンを食べようとしたら
魔人ブウがほぼ全部食べていた。
破壊神のビルス様がブウに対し「きみきみ、プリンを分けてくれないかね?」と交渉するも…
「これ全部俺のだもんね!べろべろべろ」と交渉失敗。
そしてプリンが食えなかったビルス様は…
キレる。
本人も「完全にキレたぁーッ!」との事なので、完全にキレたのだろう。
そもそもキレずともデコピンで悟空を倒せるほど強いビルス様、他のZ戦士が束になってかかった所でもちろん何とかなる訳がない。
なんとか「ビルス様…どうか…!!」とペコペコするベジータであったが…
「ちょっといいかげんにしなさいよ!」
と、そんなプリンひとつで暴れ回るビルスにブルマがキレる。
「ベジータの知り合いだかなんだか知らないけど、あたしの38歳のバースデイがめちゃくちゃじゃないのよ!」と誕生会を台無しにされた事に立腹。相手が破壊神だとかはブルマには関係なかった。
そんなビルスにブルマのビンタが炸裂。
誰もビルスに一発も入れられなかったというのに、誰が予想できたか…破壊神に一番最初にキメたのはブルマだった。
そしてビンタを喰らわせたブルマは…
ビンタを仕返され、吹っ飛ぶ。
プリンひとつでキレる奴がビンタされて黙っていられる訳がないのだ。
だが、そこで黙ってられないのはビルス様だけではなかった。
「ああ…あぁあ…っ」
「よくも…ッ!俺の…ッ!!」
「ブルマをーーーーッ!!!」
先ほどまで最も恐れる存在である破壊神に大人しく帰っていただこうとプライドを捨て、ビルスに揉み手をしていたベジータもキレた。
「よくも俺のブルマを」という発言、ドラゴンボールを知らなかったらかなりレベルの高い変態っぽい発言な気もするがドラゴンボールファンはそんな事1ミリも思わないハズだろう。
そこからはもう、いつも通りのベジータ復活である。
「クソッタレがあーーーッ!」と彼からよく聞く言葉を発しながらキレた所で勝てるハズもないビルスに殴り込む。
だが…ここで意外…
ドゴッ
バキッ!
映画館や僕みたく旧作レンタルで見た少年少女とオッサン達もこれには「おお…!?」となったのではないだろうか?
「おお…!?」となったのは僕らだけではなかった。
そのビルス対ベジータを見ていたヤムチャやクリリン、亀仙人らも同じ気持ちだった。
そして、亀仙人は言う。
「こりゃあ凄いぞ…!」
「ベジータのヤツ、ついに悟空を越えおったんじゃないか!?」
僕は思った…!
と、いう訳で今回はドラゴンボールのベジータは悟空を越える事ができたのか?という事を初登場時から振り返りつつ考える回にしたいと思います。
☆ベジータと悟空の力の関係
俗にいう単行本17巻くらいから始まった「サイヤ人編」のラスボスとして登場したベジータ。
その実力は自らを「エリート」そして悟空を「下級戦士」と見下すドヤっぷり。
今まで修行を積めばどんな敵もやっつけてくれた悟空もベジータの強さを認める。
激闘の末、なんとか悟空達は勝利した。
そう、悟空一人の実力ではないのだ。
ヤジロベーが尻尾を斬ったり、クリリンが元気玉を投げたり、悟飯が大猿に変身したりととにかく正々堂々ではない勝利。
だが、地球の存亡がかかっているので正々堂々とかどうでも良いのだ。
その地球での悟空vsベジータは互角に見えなくもなかったのだが、悟空は自分の戦闘力を2倍にも3倍にも引き上げる裏技「界王拳」を駆使してやっと互角かそれ以上なのだ。
悟空本人的には…
「界王拳もほとんど通じなかったし…」との事。
このサイヤ人を撃退したとはいえ、悟空的にも界王拳が通じなかった事はショックだったみたいだ。
だが、ドラゴンボールがサイヤ人編からフリーザ編へと突入すると悟空の強さはまた変わった。
地球で闘った頃+αな戦闘力のベジータはギニュー特戦隊のリクームに全然歯が立たななかった。
だが、遅れてナメック星へ到着した悟空は違かった。
一撃。
一撃でリクームをKOだ。
地球からナメック星へ来る間、宇宙船で詰んだ「100倍の重力での修行」が悟空を以前ベジータと戦った時とは別次元の強さへと進化させた。
そんな圧倒的強さの悟空に救われたベジータは…
わなわな・・
「ち…ちくしょう………!!」と感謝どころかなんとも言えない感情だった。
この一言で済むならまだ良い。
「サイヤ人の戦闘レベルをあきらかに超えている…」
「地球で戦ったあいつとはまるで別人だ」
「いったいどんな訓練をしやがったんだ…」
「伝説は本当だったのか…!?」
「超サイヤ人なのか・・・!?」
リクームを一撃で倒した悟空を見たベジータは悔しさなのか嫉妬なのか、プライドを傷つけられたのか、それともまだ自分の方が格上だという自信だけはあるがどう考えても実力が劣っているその事実を受け入れられないのか…とにかく頭の中は悟空でいっぱい。
地球で悟空に言った「努力だけではどうやっても超えられぬ壁を見せてやろう」とか言ったのに普通に超えられっちゃってる訳ですから、ショックもあるでしょう。
この辺りからベジータは悟空を意識し始める。
だが、そんな突如強くなった悟空にベジータは言う。
「圧倒的に強くなったのが自慢らしいがこんなことではフリーザには絶対に勝てんぞ!!!不死身にでもならんかぎりな!!!」「きさまはフリーザの恐ろしさをまるっきりわかっちゃいないんだ!!!」
実力で完全に悟空に負けたと自分で気付いたベジータ。
圧倒的に強くなった自慢など一言もしてないのに勝手に自慢されたと思った上、そんなんじゃフリーザに勝てないと悟空より雑魚のクセにダメ出しまでする。
最高にカッコ悪い。
だが、これには理由があるのだ。
彼は現実を受け入れられないのだ。
私の想像では、そう思う。。
だからこう、なんでも良いから現代で言う所のマウントを取りに行くしかないのだ。
ダサい。実にダサい。
だが、そうでもしないとベジータの精神が保てないのだ、きっと。
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ベジータのプライドはまだまだ傷つけられる。
vsフリーザ戦の最中、ピッコロが蘇りナメック星へ到着。
ネイルと融合もすまし、地球に居た頃とは比べられないほどパワーアップを果たす。
だが、そんな事をもちろん知らないベジータは…
「オレたちが地球でぶっ殺したヤローか…!」
「こんな役にもたたねえカスを行きかえらせやがって…」
と、カスはてめーだろザコがと言われてもしかたないレベルの暴言。
だが、そんな暴言浴びせまくったピッコロすらも…
ベジータがもちろん歯が立たなかったフリーザと互角に戦う所を見せつけられる。
フリーザと互角に戦っているという評価のクリリンに対し「それいじょうだ…」と認めざるを得ない様子。
地球で殺したカスが自分より実力をつけて現れたという彼のショックは小さかった。
それはきっと、今フリーザと戦っているピッコロが再び自分の前に現れた悟空以下だったからではないか?と思われる。
だが、それでも少し驚いたというか、ショックを受けたというか…
顔がデンデっぽくなる。
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死の淵から復活すると戦闘力が大幅アップするというサイヤ人の特性+ナメック星の子供デンデの回復能力を組み合わせたベジータの時短パワーアップ方法。
フリーザ完全体を目の前にし、その方法でパワーアップしたベジータは言う。
「フリーザでもなんでもきやがれ…!」
「オレはたったいま超サイヤ人になったんだ…!」
と、自信満々なベジータ。
「アタマがおかしくなったのかな?」と、とりあえずベジータを心配してあげた。
だが、ベジータの自信は加速する。
「カカロットの出番はないぜっ!!!!!!」
だが…
今までどんな事があっても強がっていたベジータではあったが…
泣く。
地球で悟空と戦った時は最強最悪のキャラクターとして君臨したにもかかわらず、ナメック星編に突入してからはどんどん新しく登場するキャラクターはベジータよりも格上。
それもフリーザの側近だとかなら納得もできるが、地球で互角だったハズの悟空は超格上となり再会、自分の部下ナッパが殺したピッコロすらも自分より強くなる。
最後の望みでデンデの回復を使いとうとう最強の戦士「超サイヤ人」になったかと思えばなれず・・・。
超エリートと自称していた彼はそこにはもう居なかった。
だが、心はそれを認めていない。
そんな悔しい想いをして…ベジータ…。
死す。
彼はナメック星で悟空と再会した時にはかなりの実力に差をつけられ
とにかくプライドを傷つけられまくったあげく、フリーザに殺された。
☆ベジータの意識改善
一度死んでから生き返ったベジータは本人の理論で言えばとっくに超サイヤ人でもおかしくないくらいパワーアップしているハズなのだが、今の彼にはどうでも良い事なのかもしれない。
ナメック星から地球へ移動させられたベジータ、その頃まだフリーザと悟空は戦っていた。
そして悟空の息子、悟飯は言う。
「ボクはみました おとうさんはとうとうなれたんです…」
「超サイヤ人に!!!」
これを聞いたベジータは
また悟空に差をつけられた事を知る。
そしてその1年後、倒したハズのフリーザが地球に来ると同時に
謎の超サイヤ人が現れる。
ベジータはとうとうポッと出の男にまで大きな差を見せつけられる。
「なにものだヤツは…」「超サイヤ人だと…ヤツが…?」
と、ショックを隠し切れないベジータ。
「きさまがサイヤ人であるはずがないだろ!」とイライラし謎のサイヤ人トランクスに当たる。「でも実際に超サイヤ人になってフリーザを倒したという事実が…」と悟飯に普通に論破されているといのにベジータの耳には届かない。
そして超サイヤ人が悟空以外にもう一人増えただけで頭の中が焦りや謎だらけでパニックになっているベジータに悟空から追い打ちが。
「瞬間移動ってやつができるようになったぜ!」
その技は人を思い浮かべるだけでその人の所にワープできるという道具いらずなどこでもドアな技。凄すぎる。その技を披露する悟空。
ふっ
パッ「ただいまー!」
瞬間移動を披露されたベジータは安心した。
「ふ…くだらん なにが瞬間移動だ…」
「超スピードでごまかしたにすぎん…」とマジックのタネを見破った中学生みたいなドヤ顔。だが…
「ジャーン」
「武天老師さまのサングラスだ…」
「1万キロ以上はなれている…す…すげえ…」
「ホントだったろ!」と、遠く離れた場所に居る亀仙人のサングラスをかけてその場に戻り、みんなを納得させている。
そんな中ベジータは…
超悔しそうだった。
ただでさえ悟空に実力で差をつけられ、何だかよく分からない奴が伝説の超サイヤ人となり、悟空は訳の分からない新技を披露。
僕が彼ならもう生きててもつまらないと自殺するだろう。
謎の超サイヤ人は「3年後に強敵が現れる」という事を告げ、帰る。
そしてピッコロは言う。
「いっておくが自信のないヤツは来るな!」と。
3年後に現れる敵はナメック星で戦ったフリーザ以上の強敵。
「足手まといになるような者にいられちゃかなわんからな」と言うものの、これはピッコロなりの優しさなのだろう。
その発言を聞いたベジータは…
自分が勝てそうなヤツにだけこの態度。
ダサい。ダサいぞ王子。
そして最後にベジータは悟空を呼ぶ。
強さへのこだわりで生きてきたベジータ。
気が付けば自分より何倍も強い悟空。
そんな悟空に1年ぶりに会った。
きっと「超サイヤ人について」や「瞬間移動について」など話したい・聞きたい事はたくさんあったのであろう。
彼が悟空に言った言葉は…
ケンカ売っただけだった。
以前地球で戦った時、ベジータは確かに強かった。
だが、ナメック星での戦いでその実力は大きく開き、「瞬間移動」の存在でまた大きく差が開いた。
ソレを理解しても彼には「サイヤ人の王子」というプライドがあった。
その後、ケンカを売ったベジータはどうしたのか。
「こ…超えてやる……」
「超サイヤ人をさ…さらに超えてやるぞ……」
悟空をライバルと認めた努力の人 ベジータへ…。
☆努力の人、ベジータ
超サイヤ人にもなれてないのに超サイヤ人を超える事が目標のベジータ。
だが、彼はサイヤ人の王子であり、超エリートである事を忘れてはいけない。
謎のサイヤ人トランクスの言う3年後。
フリーザを超える敵、人造人間が街を襲う。
図の通り、悟空はその人造人間にボコられる。
悟空ピンチ!心臓病のせいで弱まっているとはいえ韓国の偉い人似のヤツなんかに殺されてしまっては子供達も悔やまれる…ッ!
何者かが韓…人造人間を蹴っ飛ばす。
その人物はもちろん…
ベジータ。
「カカロットを倒すのはこのオレの役だ…」と後の劇場版で加勢時お約束の名言を人造人間に放ちつつオイシイ登場。
この3年後のベジータには変化があった。
【以前】
↓
【3年後】
「オレの目標はあくまでもカカロット…きさまだ」
そう、あのベジータが悟空を「目標」と言ったのだ。
「下級戦士が超エリートが遊んでもらえるんだからな…」とまで見下していた悟空を対等以上の「目標」とまで言った。
そう、その理由はたった一つ。
努力の末、超サイヤ人となる事ができたのだ。
ベジータは特訓を繰り返すも自分の限界に気付く。
そんな自分への怒りで超サイヤ人に目覚めた。
悟空のクリリンを殺された時の純粋な怒りとはまた違った方法ではあるが彼なりの方法で超サイヤ人となる事ができた。
そして…
「やっとカカロットを超えサイヤ人の王子に戻る時がきたんだ…」とまだ戦ってもないのに超えたとか言い始める。
逆を言えばナメック星編の元気ない可哀想なベジータから登場初期のオラオラな感じが戻ってきて読者的にもきっと嬉しかっただろう。
「きさまらは家に帰ってのんびりミルクでも飲んでやがれ」と暴言もいつも通りだ。
だがベジータ。
超サイヤ人同士で闘ってない悟空に勝てるかどうか微妙かもと思い始めたのか…
「あんなやつより王子のオレの方が数段強いに決まっている…!」と、彼の中で正当化できる理由をつけた想像で実力を語る事に。
「おなじ条件ならサイヤ人の王子であるこのベジータさまの方がヤツをはるかにしのぐんだ…!」と人造人間の研究所を探す際の独り言でも同じことを言う。
きっと「王子だから」という理由が自分の中でしっくりきたのだろう。
悟空を超えたら王子に戻れるみたいな事言ってたのに。
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この勝負でまたベジータは変わる。
「孫悟空って男はもっと強いわけ?」と18号の問いに
「ふざけるな 一時期抜かれはしたがいまはもとどおりオレの方が上になったはずだ」
と、独り言でも王子だから俺の方が強い理論を言い聞かせていたベジータだったが実際に問われると状況を正直に申告したうえの自分の想像で悟空を超える。
そのベジータの答えに18号は…
「なんだ たいしたことないんだね どっちも」と、強気。
これがただの強がりで出た言葉ならばベジータも何も思わないのだが…
18号に敗北。
人造人間を「ガラクタ」呼ばわりまでしたクセに「たいしたことないんだね」の言葉通り負けてしまったベジータ。
瞬間移動を披露された時と似た心情なのだろうか、背景と顔が似たようなものである。
そして悔しくて悔しくてしょうがないであろうと思われるベジータの取った行動は…
凄い勢いで飛び去る。
その飛び去った理由は…
「ヤツは超サイヤ人になり絶対の自信とプライドを取りもどした…それが人造人間とはいえ女にコテンパンにやられてはショックは大きいだろう…」とピッコロがすごくわかりやすく教えてくれた。
ナメック星でフリーザにボコられて泣かされたベジータ→超サイヤ人に目覚めてウキウキなベジータ→女にボコられるベジータ …を、全て見て来たピッコロにはその心が理解できた。
女にボコられて黙っていられるベジータではないハズだ。
そこで彼が取った行動は…?
☆もっと努力の人、ベジータ
岩場の上でイライラしていた。
血管浮き出てる。イライラしすぎ。
そして…!
吠える。
岩場を破壊しまくり。うおおおおーーっ!( L`ー´)L
「超サイヤ人は天下無敵じゃなかったのか…!!」
「さ…さっきのぶざまなやられかたは…!!」
と、天下無敵は誰情報なの?というのとピッコロご名答。
「オレはサイヤ人で最エリートの王子なんだ…そいつが超サイヤ人になれれば全宇宙で一番のはずなんだ…」と今までも言っていた謎理論を詳しく教えてくれるもやはり謎理論であった。
「あいてが人造人間だったからか…こ…これがオレの限界なのか…」
限界を超えたすぐ先にはまた限界が待っていた。
せっかく限界に気付いた自分への怒りで超サイヤ人へと目覚めたというのに、また限界…?
「ちがう…!!」
「こんなもんじゃない…!!オレはベジータだ!!」
「敵がいくら強くてもオレはさらにそれを超える!!」
「超えてみせるぞ…かならずな…」
王子、努力で得たものは実力の他に鋼のメンタル。
そう、フリーザに泣かされた上殺され、生き返ったら超サイヤ人+瞬間移動で悟空に圧倒的差をつけられたベジータ…だが彼はその差と屈辱を努力で埋めた人なのだ。
諦めないで努力すれば越えられる。
彼は自らの体験でそれを知っていた。
そしてその努力の先、負けた人造人間18号に…!
何故か標準は悟空へ向いていた。
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街で神様と融合し超パワーアップを果たしたピッコロvs謎の人造人間「セル」の戦いが繰り広げられていた。
時を同じくしてベジータは…
…!!
色んな人の「気」が混じっているのと、最強だと思っていた自分より大きなパワーがぶつかり合っている事に驚いた。
そして、その場所に向かうとその大きな気の正体の一つは神と同化したピッコロだった。だが、数時間前まで自分より格下だったハズのピッコロに納得のできない王子。
「きさまはほんとにピッコロなのか…!!なぜ急にそれほどの戦闘力をつけたんだ…!!」とこれから努力をしようとしたベジータはそれが気になってしょうがない。
するとトランクスから「神様とふたたび合体したんだそうです」との返事が。
「そ…それだけで……」
「あの時感じた戦闘力はこの超サイヤ人のオレを…たしかに…超えていた…」
「バカな…あいつはたかがナメック星人だぞ…」
努力で超サイヤ人へとなった結果が互角以上だろうと思えるようになった悟空、勝てる気配のない人造人間、今まで実力で眼中にすら入っていなかったピッコロすらに負ける。…と、散々である。
考えるベジータの背景のウネウネがまた悔しくてしょうがない感じを醸し出す。
しかもピッコロに関してはパワーアップの理由が合体などと努力の人ベジータからしたら意味不明な上ズルにもほどがある。
ピッコロは集まったZ戦士たちに「セル」について説明をする。
「セルが完全体になるのを阻止するには…」
そのセルという衝撃的な生物の話を聞いた彼らは…
言葉をなくす。
そう、人造人間達が現れたと思ったら時を同じくして「セル」
悟空は心臓病だし超サイヤ人は人造人間より弱いしで事態は深刻。
頼りは強くなったピッコロ一人でどうすれば良いかも分からない状況。
そんな話を聞いたベジータは…
「どいつもこいつも…!!宇宙一の超サイヤ人をあっさり出し抜きやがって…!」と、強さに関する事しか考えてなかった。
セルが暴れようと未来がどうとなど彼には関係なかった。努力の末やっとなれた超サイヤ人が天下無敵でないことに不服を感じるばかりであった。
多分その気持ちは誰も理解してくれないだろうから寝ている悟空に同意を求めた。
そのセルの話を聞いたうえでベジータは言う。
「オレは越えてやる…かならず超えてやるぞ…!!」
「…超サイヤ人をさらに……!!」
超サイヤ人になれた今こそその「超サイヤ人をさらに超える」時なのだ。
だが、背景のウネウネのせいで努力表明より悔しさの方が上回ってるんじゃないかと感じるのは私だけだろうか。
そして…
凄い勢いで飛び去る。
その修行内容とは…!!
岩場の上に立ってるだけだった。
そんなベジータの修行を謎のサイヤ人であり息子であり未来からきたトランクスを見守っていた。
そこに心臓病から回復した悟空が現れる。
「どうだ?特訓の成果は」と悟空が聞く。
突っ立って三日目だという事が判明。
修業とは一体何なのか。
←このころの努力家ベジータはどこへ行ってしまったのか。
それとももうどうする事もできないと悟ったか。
その3日間立ってるだけのベジータを見た悟空は言う。
マジか。
一体何を見てそう言ったのかは不明だが…悟空マジか。
「ジャマだカカロット…失せろ」
「そう言うな修行にいい場所知ってんだ」
「たった1日で1年分の修行ができる部屋が神様んちの神殿にあるんだ」
そう、ドラゴンボールファンならお馴染み「精神と時の部屋」だ。
そんなお馴染みじゃない人からしたら超胡散くさい話にベジータは…
「ほんとうか…」
息子が未来から来たって言うんだから逆に何でも信用できちゃう王子、精神と時の部屋に興味津々。
今なら目標である悟空にも勝てるかもしれない。
だが、それどころではないのだ。
悟空の前にベジータは越えなくてはならない敵が多すぎる。
そのために彼が欲しいのは「力」であった。
「時間がねえからおまえはトランクスといっしょに入ってもらうぞ」
未来から来た謎の超サイヤ人トランクスと一緒に修行するのが条件と言われる。
努力の人ベジータは
このトランクスとの修行を機会に
またひとつ変わることとなる。
【▼中編へ続く】