第40回・志々雄真実に何故「牙突零式」は当たらなかったのか。
学生時代、「るろうに剣心」というアニメが流行った。
幕末、人斬り抜刀斎と呼ばれる維新志士「緋村剣心」が明治に入り、「不殺⁽ころさず⁾」を誓い殺傷能力の低い「逆刃刀」で流派「飛天御剣流」を駆使し、悪い人達をボコボコにしていく、と言った話だ。⁽はしょりすぎですね₎
その、るろ剣最大の盛り上がりを見せたエピソードが
「京都編」ではないか、と思われる。⁽個人的感想です。₎
京都編、簡単に説明するならば、幕末、長州派維新志士であった主人公「剣心」が「不殺⁽ころさず₎」を誓い、人斬り抜刀斎を辞めた後を引き継いだ「人斬り」・・・
志々雄真実⁽ししお まこと⁾を成敗する、という話だ。
彼も後任の人斬りとして活躍をしていた様ではあるが、彼の底知れぬ野心を恐れた長州派維新志士に焼かれ、撃たれ、と殺された -
ハズだったのだが、生き延び、明治政府への復讐などという事にとどまらず、日本征服という活動をする。
それを主人公の「剣心」が阻止する、といった話だ。
京都編の始まり、それがまた盛り上がる。
人斬り抜刀斎時代、決着が付かなかった男。
明治の世では、警官として登場。
そして、再び剣心の前に現れる。
急にやってきた斎藤一と緋村剣心は闘う所から、京都編は始まる。
その闘いはるろうにと警官の勝負ではなかった。
幕末の続き、人斬り抜刀斎と壬生の狼の戦いであった。
斎藤一は強かった。結論を言うとまたもこの勝負の決着はつかなった。
この戦いの真の目的、それは斎藤が剣心と決着をつけるためでなく…。
志々雄真実の野望を阻止を願う前に、抜刀斎時代から実力が衰えていないか、その確認を斎藤に頼んだ
大久保利通の仕掛けた事であった。
「それってつまり剣心に 志々雄真実を暗殺しろって事ですか」
話の内容は薫の言う通り、だが事は重大。
人斬りを辞めた剣心は悩む。
が、志々雄一派「宗次郎」に殺害される。
大久保利通の死を知った剣心。
彼は志々雄を倒すため、京都に向かう事を決める。
これが志々雄真実との闘いの始まりであった。
作中無敗であった、剣心。
斎藤一登場により、無敗はなくなった。
そう、斎藤は強い。
そんな京都編、その剣心と引き分けた斎藤…。
志々雄成敗のため、タッグを組んでいるのだ!!
こ、これは心強い…っ!!
あ、佐之助も居たでござる。
が、共闘しているとはいえ、斎藤は剣心の仲間になったつもりはない。
また剣心と闘い、そして勝つつもりでいるのだ。
斎藤には、剣心の「飛天御剣流」と違い、1つの技を磨いていた。
牙突。
言ってしまえば左片手一本突きである。
が、この一本突きを極め、必殺技にまで昇華させる事により…
こうなる。
凄いぞ牙突。
そして、先程説明した、剣心の実力を測る闘いにて使わなかった「牙突」が存在した。
それが、牙突「零式」である。
通常・・・
この様な感じで飛びかかるように突く「牙突」
それを間合いのない密着状態から上半身のバネのみで繰り出すのが「零式」なんだとか。
通常の牙突でも威力は凄まじいの一言に尽きるのだが、この「零式」の威力は
見てお解りだろうか。
上半身は壁まで飛び、刀で突きささり宙ぶらりん。
下半身は元に居た場所であり、簡単に言えば「分離」である。
斎藤曰く、「いずれ抜刀斎決着をつける時のとっておきだ。」との事である。
見事な牙突の喰らいっぷり、宇水。あっぱれ。
斎藤…恐ろしい男だ。
そして、斎藤が宇水⁽分離してしまった彼⁾に牙突零式を披露し終わった頃…。
先に志々雄の所に向かった剣心は
志々雄との決戦が始まっていた。
だが、志々雄真実、強し。
ノコギリの様な剣、「無限刃」で火を起こし
手甲に仕込んだ火薬を爆発させる必殺技「紅蓮腕」でアッサリ敗北。
「ちっ!もの足りねェ!!」と剣心がアッサリ倒れたのに不満げ。
そんな時であった。
扉の奥から斎藤一の声が。
「手負い一人片付けた程度で油断するその甘さが
今も昔も貴様の命取りだ。」
斎藤一、オイシすぎる登場。
本人もオイシイと感じたのか。テンション上がり過ぎてか…?
セリフが吹き出しを余裕で飛び出している。
直撃!
が。
昔、不意打ちを額に受けた過去から鉢金を装備していた志々雄様。
牙突が直撃するも無事。
とは言えよく首がもげなかったなぁと言う感想も出ない速度で斎藤にカウンター。
宇水⁽分離⁾に足を斬られたのによくもまあそんな牙突を。と褒めはしたが、容赦なく斎藤を斬ろうとした志々雄様。
「言ったそばからまた油断か?」
こ…この構えは…!!
あの宇水を真っ二つにする破壊力をもち…
足を斬られていようが関係ない…!上半身のバネのみで繰り出す…!
いずれ抜刀斎決着をつける時のとっておき…ッ!!
牙突 零式!!!
と、もう
【第40回・志々雄真実に何故「牙突零式」は当たらなかったのか。】
いうタイトルなので、解らない人も居ないと思うのですが。
当たらなかったのです。
今回は、何故この牙突零式は当たらなかったのか。
それを考えていく回にしたいと思います。
☆そもそも「零式」はそんなに強くなかった?
志々雄様にアッサリかわされてしまう牙突零式。
実はアニメ版るろうに剣心だと「牙突零式」どころか斎藤一の活躍はこの京都編までであり、零式の出番はなくなる。
⁽京都編→人誅編→完結の原作に対し、京都編→アニメオリジナル編→打ち切りのアニメ版₎
漫画版では最終巻まで登場する斎藤。
志々雄以外に牙突零式を放ったのは1度。
彼、八ツ目無名異を相手にしている時だ。
人斬り時代の剣心に恨みを持っていたが、相手は斎藤が担当。
斎藤に化け物と罵られ剣心からターゲットを斎藤に変更した彼。
彼も宇水氏同様、零式の餌食に。
では、彼も分離してしまったのだろうか?
手から肘にかけて突き刺さる日本刀。
そして吹っ飛ぶ。
これは痛そうだ。
・・・
記憶が正しければ、盾で防いだのにも関わらず分離した宇水氏だった気がするが、八ツ目氏は腕が痛いくらいで済んだ模様。
あれ?宇水氏→志々雄様→八ツ目で徐々に弱くなってきてる?
と、いう結果を出すには少々軽薄すぎる考えであろう。
不殺を貫く剣心の前で殺しは後々気まずくなる、と斎藤氏は空気を読んだのだろう。
そういえば宇水氏と闘う前に剣心・佐之助を先に行かせ、タイマンに持ち込んだ時に彼は
「未だ「不殺」を引きずっているあいつがいると はっきりいって邪魔なんだよ
お前を 殺すにはな」
という事を言っていたので、やはり剣心の前だから空気を読んだ説は間違っていないと思われる。
ただ・・・
「肩から先が吹き飛ばなかっただけでも有難く思え」
と八ツ目氏に言う辺り、力の調節はかなり難しいのであろう。
が、やはり、何故これだけ強い技が所見である志々雄にかわされたのか。
それだけが気がかりである。
☆他の人の技は志々雄に当たったか?
零式が弱い説、は空気を読んだと思われる斎藤により消えた。
では、他の志々雄様に挑んだ人達の「必殺技」はどの様な結果に終わっただろうか。
・飛天御剣流 龍昇閃の場合。
結果:片手でキャッチされる。
理由:「一度見た技はこの俺には効かねェ」から。⁽本人談⁾
聖闘士と同じ理由である。
・相楽佐之助 二重の極みの場合。
結果:当たったが、ノーダメージ。むしろ一発返す。
理由:実力の差が如何ともし難かったから
牙突を額に喰らっても余裕な志々雄様。それは例え二重の極みでもだった。
・四乃森蒼紫 回天剣舞六連の場合。
結果:剣を使うことなく肘鉄で封じる。
理由:「遅ェッ!!!」から。⁽本人談⁾
喰らわない理由を一つ一つ解説してくれる志々雄様って素敵ですよね。
・飛天御剣流 龍槌→昇閃→龍巻閃「凩」→「旋」→「嵐」の場合。
理由:紅蓮腕発動失敗により自爆した際の隙を狙われる。
今まで無敵の志々雄様に主人公剣心が反撃。だが…
全然効いてない。強すぎる志々雄。
・飛天御剣流 九頭龍閃の場合。
結果:完全に当たる。そしてキレる。
理由:剣心に包帯を掴まれて身動き取れなかったから。
もう当たっても解説をしなくなった志々雄様。
多分、本気になったら口数が少なくなるのだ。
・飛天御剣流奥義 天駆龍閃の場合。
結果:捌き、自身の奥義「火産霊神」を発動するも敗れる。
理由:
志々雄様、大ピンチの最中だと言うのに全て解説。
流石です。
で、ここで気付いた事が。
解説らしい解説がないのだ。
牙突零式に関しては「余裕」の一言で片づけている。
一番気になるのは、何故牙突零式を回避時のポーズが
エド・はるみさんのポーズなのだ…?
☆アニメ版で振り返る牙突零式
今、解った事。
それは、「牙突零式は決して弱くはない」事。
そして、「志々雄様はエド・はるみのコォォーで牙突を避けた」事。
実際、漫画だとあっという間に終わってしまう斎藤のオイシイ牙突からの零式不発。
アニメは尺の問題もあってか、3倍くらい長いのだ。
牙突の奇襲が失敗に終わる所までは同じ流れ。
「一体何のために闘っている?」
志々雄の問に答える斎藤。
「俺が闘う目的は…昔も今もただ一つ俺自身の正義のためだ。」
「悪・即・斬」
そして再び、牙突で挑むも
「この俺に一度見せた技は二度と通用しねぇよ」
やはり聖闘士である志々雄には牙突は通用しない。
「その程度の平突き、お前が傷ついてなくともどうという事はない」
と漫画版より更に余裕を見せる志々雄様。
「牙突は効かない」と言われるが…斎藤…。
牙突の構え。
「それがお前の…新選組の戦い方という訳か…」
「来い。」
空中からの牙突「二式」
志々雄、空に舞う。牙突二式、外れる。
そして、空に居る志々雄目掛け対空用牙突「三式」を放つ。
両者着地。
が、志々雄様の攻撃、斎藤の胸を斬っていた。
「いわゆるバカの一つ覚えというヤツか。」
「だがそれももう種切れらしいな」
余裕の志々雄様。だが、胸を斬られた斎藤は…
「言ったそばからまた油断…」
o0⁽・・・?⁾
「馬鹿は死ななきゃ治らない…」
牙 突 零 式ィィィィィ!!!!!
「油断?」
「何のことかな?」
「これは余裕と」
「言うもんだ」
結局は漫画と同じこの流れ。
アニメ版を振り返り解った事は3つ。
1:零式が来る前の志々雄様のこの表情である。
この表情は流石に牙突零式が来るなんて思っていなかったと思う。
2:表現の問題かと思ったら斎藤が大声で「牙突零式ィィ」と声に出していた。
3:アニメで動くと凄い表情だった。
☆自分が志々雄様の気持ちになってみよう。
この今までの事をまとめますと。
技が不発に終わるとわざわざ解説してくれる志々雄様。
→零式は解説できなかった→そんな余裕がなかった。
だが志々雄真実、京都編のラスボス故弱さを見せられない。
→飛天御剣流の五連撃を受けても「どうした!?それで終いか!?」
佐之助の二重の極みを喰らっても楽勝。むしろそれ以上で殴り返す。
→剣術も凄いが、素手でも強すぎる。
牙突零式は決して弱い技ではないと志々雄の解説無しが物語る。
→凄い表情ですごい大声で「零式ィィ」
ここでラスボスだから仕方ないで片づけず、
自分⁽志々雄になったつもり⁾対斎藤一だったら、どんな気持ちになるだろうか。
そこから答えを導き出して行きたい。
o0⁽牙突…なんて技だ…怖い怖い₎
「それも種切れのようだな…⁽余裕ぶった感じで⁾」
「言ったそばからまた油断…馬鹿は死ななきゃ治らない…」
o0⁽え?…え…??な、なに…?え…?⁾
牙突零式ィィィィィイイイ
うわああああああああああああああああああああああああああ
急に怖い顔して無口キャラなクセに大声出すなよ!
ビックリしてエド・はるみみたいなポーズ取っちゃったじゃねーか!
ドスッ
ああ!佐之助一撃でぶっ飛ばせるくらい強いのに急に前ならえみたいな手しちゃったから刺さっちゃ…
え?牙突出してたの?
い、イカン!俺は志々雄真実!
ビビッている場合ではない!
o0⁽流石に避けれた理由言えねーわコレ₎
「油断?なんのことかな?」⁽キリッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
という事で自分が振り返った事を忘れずに志々雄真実になった気持ちで考えた結果…。
・志々雄真実に何故「牙突零式」は当たらなかったのか。
:要は斎藤が大声で技名を言ったから。
ではないだろうか。
少年漫画的に技名を大声で言うのは間違えではないと思うのだが、やはりそれ故に敵に策がバレてしまうんだとか、そんな感じ。
でないとあの強すぎる牙突零式が回避されるなんて考えられません。
にしてもあの斎藤一すら手も出せないキャラ、志々雄真実。彼は凄い。
そのせいで京都編の後に出て来る敵は「こいつらみんな志々雄より弱そうだから全然勝てるだろコレ」とどんな敵が出てきても主人公サイドが負ける気がしなかった記憶があります。
自分が志々雄真実になったつもりで牙突零式が来たらビックリする。とか書いたけど…
ここ最近の和月先生が一番ビックリな私でした。
るろうに剣心北海道編…打ち切りとかなっちゃうのかなぁ。