【▲前編】
【▲中編】
~主な登場人物~
【矢口くん】ゲームと大野さんが大好き。別名「クズ」
【大野さん】お嬢様、矢口君とゲームが大好き。
【矢口くんのママ】若くて可愛いママ。特技はパンチハメ。
【じいや】大野さん専属のドライバー。別名「漢・じいや」
【萌美先生】大野さんの専属家庭教師。ツインファミコン購入。
【大野姉】大野さんの姉。妹と矢口君の恋を応援している。
【日高さん】矢口君に恋する女の子。大野さんのライバル。
~前回までのあらすじ~
「矢口君の優しさは大野さんに必要なモノ」だという事を理解した萌美先生。
天敵であった萌美先生を納得させた矢口君。
これで大野さんと矢口君の恋路を邪魔するものは何もない。ハズなのだが…。
9-CREDIT:「相変わらず謎なやつだ」
幕張で行われているAOUショーに無事到着した二人。
新作ゲームをとにかく楽しみまくる。
二人してゲームに夢中になっていると、小学生の頃を思い出す矢口君。
「前とくらべると少し明るくなったような…」
その頃の大野さんと今の大野さんを比べて見たり…
楽しそうな大野さんを見て「連れて来た甲斐があるなぁと思ってな…」だ。
ジロジロ見る矢口君に照れたのか足を踏む大野さん。
「何?ウゼーから足を踏んづけてやると…?」と完全に大野さんと意志疎通ができている。流石だぜ、矢口君。
AOUショーではUFOキャッチャーも遊び放題の景品も取り放題だそうだ。
帰り道の電車での話題はそう…
「今までなんの景品が嬉しかったよ?」だ。
みなさんのUFOキャッチャーの嬉しかった景品はなんだろうか?
私はUFOキャッチャーがとても苦手で、難易度低めであろうお菓子以外の景品を落とした事が1度しかないのだ。
そのたった1度の景品がコチラ。
王子のフィギュア。
大阪旅行に行った時、道頓堀のゲーセンにてゲット。
普通、景品を掴んで穴に落とすのが主流ではあると思うのだが、道頓堀流は少し違うみたいだ。
UFOキャッチャーのアームでスプレー缶くらいの物の上に置かれた帽子のツバを当て、帽子を落としたら景品ゲット、みたいな感じなのだ。
簡単そうに見えてこれがまた、やってみるとできそうで中々できない…ッ。
で、落ちた…ッ!!と思った頃には8000円も使ってたんですが。
私はどうにかして一生分UFOキャッチャーをプレイしたと思い込み無理矢理自分を納得させるも、その後UFOキャッチャーを見ると謎の吐き気に襲われるという現象が起こるようになったとさ…。
大野さんは矢口君から貰った「指輪」
矢口君は「安っぽい指輪」と言うが、大野さんからしたら「宝物」だった。
突然の出来事ではあったが、大野さんと矢口君の「AOUショーデート」は無事幕を下ろす。
萌美先生の監視も少し優しくなった大野さんは、これから楽しい高校生活が待っているに違いないハズだ。。
その後も大野姉は矢口君の家によく遊びに来ていた。
少し変わったのは、大野さんも一緒に来た事。
「モエミ先生もいろいろ許容してくれるようになったみたい」
ママ曰く、萌美先生もツインファミコンの一件以来、丸くなったと。
それでもまだ、カタブツらしいが。
スーパーファミコンとRPGツクールを弁償すべく矢口君に渡したツインファミコンとジーコサッカーを組み合わせ。センスが最高の先生ではあるが、まだカタブツらしい。
「そういえばハルオ…誰か家に連れてきたの?」
「あ うん」
大野さんと姉は矢口君の帰りを待っていたのだが、矢口君はなんと珍しく友達を家に連れて来たようだ。
「ハルオくんのオトモダチ?」「んじゃみんなで一緒に遊ぶわよ」
「そして童貞か否か聞き出してやるわ」
この姉の誰とでも仲良くなれちゃう感じは大野さんも見習って欲しい所もあるが、童貞かどうかを聞くような所は本当に真似してほしくない。
矢口君のオトモダチとも持前の明るさで打ち解けようと考える大野姉。
葬式みたいな空気になっていた。
右の方に居る男子は【宮尾くん】
矢口君の中学生の頃からの友達。
特にゲームが上手いとかそういったアレはなく、純粋に友達。
上の方に居る女子は【日高さん】
このブログでも2度ほど取り上げた事のある女の子。
中学生の頃から矢口君に恋をする子。
格闘ゲームの腕が中々で大野さんとは恋のライバルである。
この状況作ったのはアンタだよ('ω')ノ
「ハルオのアホと何かあるんだわ…何かこう…ドロドロした…」
ご名答。この頃、大野さんの知らない所で矢口君は日高さんの告白の返事を賭けたゲーム3本勝負で勝利した後なのだ。よって日高さんがフラれた後。
宮尾君は日高さんが矢口君の事を好きな事を中学生の頃から知っていた。
そして、日高さんが矢口君にゲームで負け、フラれた事も知っていた。
「こんな状況になるとは思いもよらなかった…」
とにかく気まずい空気を感じる宮尾君と大野姉。
そこで宮尾君の取った行動とは…。
宮尾君、この空気に耐え切れずバグる。そして退散。
この異様な空気を感じていたのは宮尾君だけではない。
大野姉だ。
彼女は高校1年生の宮尾君とワケが違う。
19歳の大学生だ。
こんな子供たちの恋愛のアレやコレで動揺する女子ではない。
と思ったのは私の見込み違い。大野姉、脱落。
耐え切れず部屋を出た大野姉、矢口ママに心配される。
結果、バグる。
大野姉、宮尾君、共にバグってしまい、部屋には矢口君と大野さん、そして日高さんの三人となる。
矢口君もこの異様な空気に気が付く。
そこで空気を変えたのが…
「前々から大野さんと対戦ゲームで勝負したかったんだよね…」
日高さん。我らが応援したくなっちゃう女子、日高さんだ。
この日高さんの案により急ではあるが「バーチャファイター2」の勝負が行われる事となる。
が…
「勝負するのはいいけどよ…今ここにはジョイスティックがひとつしかなくて…」
「ジョイスティック対パッドってのはどうにも…パッドは不利な…」
コントローラーが同じ物が二つないそうだ。
個人的にはパッドの方が格闘ゲームはやりやすいのだが、彼ら3人ゲーマーはゲーセンのコントローラーが一番馴染んでいるのでアーケードコントローラーの方が有利なんだとか。
大野さん、パッドでやる気満々。
女子達の闘いは、既に始まっていた。
バーチャ2にて大野さん⁽パッド⁾vs日高さん⁽アケコン⁾、勝負開始。
日高さんは同じ髪色のサラを選択。
大野さんは同じ名前のアキラを選択。
「遊びでくる?…それとも…」
ハンパじゃない大野さんの攻撃。
矢口君が一瞬で気付く通り「本気」で日高さんを倒しにかかる。
1R目、完封でKOされてしまった日高さんだが…
日高さんも負けない。
大野さん、悔しいのだろうか。「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」だ。
きっと、日高さんだけでなく、大野さんにも負けられない理由が何かあるのだろう。
そこで大野さんがとった行動は…
何その持ち方。
日高さんも私と同じ事を考えたみたいだ。
そして、最終Rが始まる。
日高さんのサラが大野さんのアキラに攻撃…!だが…!
大野さん、日高さんをアッという間にKO。
パッドでは入力困難と言われるコマンドを入力すべくこの持ち方にしたみたいだ。
通称 アキラスペシャル
日高さん、大野さんに敗れてしまう。
ヘコむ事はない、日高さんが弱い訳ではない。大野さんが異様に強すぎるだけだから。
「晶~っ おいとまするわよ~っ」
大野姉、バグが改善されたらしく、普通に大野さんを呼べた。
「大野さん また対戦してくれる?いつか勝ってみせたい」
コク
日高さんは、大野さんと再戦の約束をした。
ゲーム好きとしてなのか、それとも恋敵としてなのか。
とにかく大野さんは再戦の約束に応じた。
そして大野さんは矢口君のそばに行き…
足を踏む。
大野さんは矢口君に何か言いたかったのだろうか。
そういえば、AOUショーで足を踏まれた時は大野さんの心境を全て理解していた矢口君。
今回、この踏まれた足を通して大野さんの言いたいことが伝わって
ない。「何すん だよ…」だった。
足を踏む大野さん、この瞳。
日高さんとガチ対戦した大野さんであったが、本当は今日、大野さんは矢口君と二人で遊びたかったんじゃないだろうか。
自分の思っていた矢口君宅で遊ぶ構図と違う一日となってしまった大野さんの「この野郎二人きりじゃねー上よりによって恋敵の日高さん連れてきやがっててめー」という目なのではないだろうか。
せっかく遊びに来たのに矢口君と二人で遊べなくてカワイソウ(´・ω・`)な大野さんの気持ちは矢口君に伝わったのだろうか。
クズ、気付けず。
10-CREDIT:「でも安心して晶・・・!」
矢口君、大野さんvs日高さんの後もいつもと変わらずゲーセンにて遊んでいるものの、何だかいつもと様子が違かった。
対戦相手は卑怯なハメ技を繰り出し、矢口君は全然ゲームを楽しめていない。
そんなハメ技で矢口君のゲームを妨害していたのは、日高さんと仲良しのゲーセン仲間達であった。
「なんでそんなイジワルするんだ」
「女に愛されるゲーマーはゲーマーではない…」
日高さんに好かれた上にフッた矢口君に対する純粋な嫉妬であった。
ここまで醜い嫉妬は中々見た事がない。しかもゲームでイジメ。醜い。
そんな溝の口のゲーセンで遊ぶ「溝の口勢」のリーダー格、二子玉川フェリシアちゃん⁽久々に登場。やはり長い名前だ₎と日高さんが登場。そして二子玉川フェリシアちゃん⁽ニコタマちゃんで良いッスかね?₎がイジメを止める。
「昔はもっと癒された場所だったのに…」「今は殺伐としていけねぇ…」
日高さんにそんな愚痴をこぼしてみるも…
「だろうね」「大野さんも最近来ないし」
「なんだよ なんで大野が出てくんだよ「別にぃ」」
日高さん、先日の大野さんとの勝負以来矢口君に冷たい。
大野さんが足を踏んづけてる時に「ハルオてめー何で日高が居るんだよあぁ?」と訴えていたとすれば、日高さんも「矢口てめーせっかくアタシが遊びに来たってぇのに大野が居るってンはどーゆーコトだよオラァ」と感じていても不思議ではない。⁽不思議だよ⁾
日高さんに「バーチャ2であーそぼ」と誘うもフラれる。
「日高氏は目障りだって言ってんだよなんで気付いてやれねーんだオメーは!!」
「ねぇ!日高氏 そうでしょお?」
「…」「そうかもしれないね」
矢口君、いつものゲーセンにて仲間はずれにされた上、日高さんにも冷たくされる。
そして、大野さんもゲーセンに居ない。
撤退。
矢口君カワイソウ(´・ω・`)
彼がいくらクズだとしても、今回は流石に可哀想な矢口君。
溝の口のゲーセンを離れ、彼が向かう次なるゲーセンは…
渋谷。
そのゲーセンにて「マジで最強だぜこのボス」と楽しいのか苦しいのか解らない状況でゲームを遊んでいる渋谷の若者たち。
カイザーナックルで遊んでいた。
そのラスボスのジェネラルは相当強い。
そういえば中学生の頃に大野さんと一緒にクリア目指して遊んだなぁーなんて後ろからゲーム画面を見ていると…
絡まれる。
そして矢口君、渋谷の子達に「ウデに自信があるんならお前がやってみそぉ」とか言われ、カイザーナックルでジェネラル戦をやらされる事に。
だが、彼は矢口君だ。
もちろんクリア。
この事がキッカケで、彼は渋谷のゲーマーたちに認められる。
溝の口勢と渋谷勢はゲーマーとして仲が良くなかったらしい。
渋谷に攻めて来る溝の口勢をゲームで倒したい、との事。
「どうよ!?一緒に溝の口勢をブッ倒さねぇか」と矢口君は誘われる。
その溝の口勢の中にはあの日高さんも居る。
それが何だか気に入らない矢口君は、渋谷勢と打倒溝の口勢に燃える。
その後、渋谷でゲームの腕を磨く矢口君は…
渋谷色に染まる。
大野姉に殴られる。
大野姉は渋谷に行き来している矢口君が不良化していると噂を聞いて、探しに来たのであった。
が、恰好が渋谷っぽくなっているだけで、別に矢口君は矢口君のままだった。
不良化しているどーのこーのより、大野さんと最近どうなのか気になる姉。
「アンタが渋谷に入り浸ったらますます晶と会えなくなるじゃない」
「きっとさびしい思いをしてるんだろうな~あの子…」
日高さん率いる溝の口勢にイジめられた日からゲーセンの拠点を渋谷に変えた矢口君。実は大野さんは萌美先生の許容範囲が広くなったみたいで、ツインファミコンの一件以来、ゲーセンにも足を運んでいるのだが、矢口君とはたまたま会えてなかっただけだったみたいだ。
そして今も渋谷のゲーセンに居る矢口君。大野さんにはますます会えない。
「とにかく地元に帰るわよ!!」
矢口君の耳を引っ張り、溝の口に戻ると言うが…
服を買い タワレコ行って 「あぁ」を買う。
右京
・
・
・
買い物帰りの矢口ママとじいやがバッタリ会う。
じいやがツインファミコンの一件以来、萌美先生から大野さんの専属運転手に戻してもらったみたいだ。良かったねぇ、漢じいや…(´;ω;`)
「ハルオ様は最近元気でいらっしゃいますか?」と矢口君が気になるじいや。
「最近ハルオが渋谷ボーイになっちゃって…」
ママも渋谷に入り浸る矢口君が心配のようだ。
「私が買ったダサ服に目もくれずナウな服で色気づいちゃってもう…」
わざわざダサい服買ってたんか、ママ…(`・ω・´)
「あのまま不良にでもなったら不安だわ…」
渋谷色に染まり、不良になってしまうかもと心配するママ。
その話が聞こえた大野さんもまた、心配していた。
ついでに、大野姉はその後帰宅し…
「あるまじき装い!」とかって萌美先生に追っかけられていた。
そして…
身ぐるみはがされ焼却されていた。
大野姉は大野さんに矢口君の近況を報告していた。
思い出すだけでなんかふーふーな姉。
萌美先生にアムラーな服を焼却されるも渋谷がお気に入り。
「このままだと渋谷の毒に侵されてかわいげのない小僧に成り下がるかもしれない…」
と、矢口君を心配する姉。
大野さんも心配だった。
矢口ママの言葉を思い出す。
あの優しい矢口君のままでいてほしい大野さん。
「でも安心して晶・・・!」
「お姉ちゃんがあの男を必ず連れ戻してやっから」
「明日も渋谷で対戦会だとかなんとか言ってたから行ってくるわ…!」
あ…姉…ッ!!(´;ω;`)ブワッ
大野さんと矢口君の関係を応援する大野姉。
彼女は妹の大野さんに「今のまま」で居てほしいのだ。
そのためには渋谷に染まっていない「いつもの矢口君」が必要。
今、矢口君を何とかできるのは自分しかいないと感じた姉。
そう思った姉は、妹のために動く。
そして、矢口君を元に戻す。
それは、最愛の妹のため…!
一生寝てろクソ女。
「連れ戻してやっから!」と意気込むも翌日普通に起きられないという残念な姉。
大野さんにキメた言葉は全てフカシとなってしまった姉。あぁ。
「明日も渋谷で対戦会だとかなんとか言ってたから行ってくるわ…!」
大野姉のその言葉だけを頼りに
大野さん、矢口君を探しに行く。
11-CREDIT:「今夜は帰さない」
渋谷。もう夜になっていた。
そんな頃、矢口君は
溝の口勢と渋谷勢によるゲーム対決が行われようとしていた。
その頃、大野さんは…
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・
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ハチ公をじっと見ていた。
大野さんも渋谷到着。
どこかでゲームをしている矢口君の捜索を開始。
まずは矢口君が渋谷勢に絡まれたゲーセン「渋谷会館」
探せどここには矢口君は居ない。
カイザーナックルしかない。
そういえば、続編?の断仇牙とは何だったのだろうか。
そんな大野さんがカイザーナックルのある渋谷会館をフラフラしている頃…
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溝の口勢と渋谷勢の対決は白熱。
ファイティングバイパースで勝負。
日高さん一人でバッタバッタ勝ち抜く溝の口勢。
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大野さん、渋谷会館なのか。他のゲーセンなのか。
矢口君を探すもどうも見当たらない。
あんな集団でゲームをしていたら目立つはずなのに見当たらない。
何故、大野さんが矢口君を見つけられないのか私は知っている。
矢口君たちが対戦しているのは、ゲーセンでなくボウリング場のゲームコーナーだからだ。
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そんな大野さんが矢口君を見つけられない状況の中、日高さんは渋谷勢をボッコボコに倒し、とうとう10人目、矢口君の出番であった。
二子玉川フェリシア⁽長ぇ⁾ちゃんもまさかこの短期間で再び矢口君対日高さんが見れるとも思ってなかったようで動揺している様子だ。
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大野さん、何か食ってる。
同じころ、大野さんはお腹が減ったみたいで、何か食ってた。
パンだろうか。とにかく腹が減っては矢口君を見つられない。
きっと矢口君が大野さんを発見した時も何かモガーしたに違いないだろう、と大野さんも思いながら矢口君を捜索する。
大野さん、ボウリング場だとは思わず、スルー。
すれ違う大野さん…カワイソウ(´・ω・`)
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日高さん一人に10タテされて敗北する渋谷勢。
と、いうワケで2回戦目という事で延長戦に入った。
バーチャロンか綿あめで勝負するらしい。
なんだ綿あめって。
綿あめでなく、雨が降って来た渋谷。
日高さんと矢口君は2回戦目には参加していなかった。
元々ゲームで争う事に反対な日高さん、そして日高さんにボコられた事でショックを受けた矢口君はこの渋谷勢vs溝の口勢の集まりから抜けていた。
急に冷たくして矢口君を渋谷に追いやったくせにいきなりデレてみたりと忙しい日高さん。彼女は雨降る夜、矢口君と二人きりになれた事がチャンスだと感じた。
忘れていたが、日高さんは矢口君の事が好きで好きでしょうがない女子なのだった。
「…んまぁ別に…」「いいけどよ」
大野さんが捜索してるとも知らずに、矢口君も矢口君でオッケーしてしまう。
そして、雨はどんどん強くなる。
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渋谷勢と溝の口勢は結局ボウリングで勝負。
めっちゃ楽しそうですネ(`・ω・´)
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矢口君と日高さんは楽しくデート。
ゲームセンターで普段やらないようなレースゲームやエアホッケーなどを楽しむ。
このデートで乙女なスイッチがオンになった日高さん。
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「結局 渋谷勢と溝の口の決着はうやむやになってしまったなぁ」
「最後のほう少し和気あいあいとしちまったし…」
ここは渋谷勢達が拠点としているゲーセン「渋谷会館」
結局ゲームとボウリングで楽しく遊んで最終的に和気あいあいしてたみたいだ。
いいじゃない、ソレで。
ゲームを通して仲良くなれる、いいじゃないのソレで。
「付き合ってみたら意外といいやつらなのかもな…」
渋谷勢と溝の口勢、彼らの対抗意識みたいなモノはなくなってきた…!?
と思っていると、一人そんな溝の口勢との付き合い方の話を聞かずに「あ ジェネラル」と他人のプレーが気になり始める。
「それよりさ~~…」
「あの日高って子」
「まさか矢口くんの彼女だったなんて」
「マジか…ハルオがあんなかわいい子と…」
「超ムカつく」
「二人でコッソリ フケちゃってさ~~~」
「きっと二人は渋谷のどっかでイチャこいてんだろな~~」
そんな話を耳にしてしまった大野さん。
カイザーナックルをやっている場合ではない。
大雨の中、再び矢口君の捜索に行く。
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「落雷?二子玉で?」
帰宅しようと駅に向かう日高さんと矢口君だったが、落雷の影響で電車が止まっていた。
復旧の見込みなし、現在22:30
乙女のスイッチがオンになりっぱなしの日高さん、この好機を逃さない。
今夜は帰さない
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大野さんも電車の影響で・・・
今夜は帰れない
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電車の影響で帰れない矢口君と日高さん。
とりあえずファミレスへと向かう。
乙女のメーターが振り切っている日高さん、この矢口君と二人きりの夜…
攻める。
攻めるッ
攻めまくるッ!!
ちょっと日高さんが攻めまくってくるので困惑の矢口君。
この日高さんの話を逸らそうとする。
日高さんカワイイ(*'ω'*)
そして日高さんの攻撃は最終段階へ入る。
「布団がある所行きたい」
「男女で行く所」「わかる?」
「…だめ?私と一緒に」「ふたりで」
「矢口くん」
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朝の渋谷。あの大雨はあがっていた。
矢口君を渋谷から連れ戻そうとやってきた大野さん。
探せど探せど会えない矢口君。
気が付けば朝になっていた。
そして、大野さんは矢口君を見つけた。
抱き合う日高さんと矢口君。
大野さんがやっと見つけた矢口君は、日高さんと抱き合っていた。
あのー、あれだ。
そのー、なんてコメントしたらいいか…。
大野さんカワイソウ(´・ω・`)
12-CREDIT:「必死でアンタを捜したそうじゃない…!」
渋谷で早朝、大野さんは矢口君を見つける。
矢口君と日高さんからしたら、どういう訳か大野さんが現れた。
今までの事を考えると、大野さんは矢口君に裏切られたと感じてもおかしくない状況だし、矢口君も矢口君でやはり私にクズと呼ばれてもしょうがない状況であった。
日高さんは大野さんを見て、その場を去ろうとする。
女の子として矢口君にあれだけアタックするも、彼の心は動かなかった。
そう、それは大野さんの存在が矢口君の中で大きかったから。
どんな男でもオチてしょうがない状況でかなりの攻めっぷりを発揮する日高さんであったが、矢口君には効かなかった。
ゲーマーとしても、女としても大野さんに勝てなかった日高さん。
そんな日高さんが完全敗北したと感じた女性、大野晶が目の前に現れたのだ。
彼女は一人寂しく、その場を去る事しかできなかった。
大野さんは日高さんを逃がさなかった。
通り過ぎようとする日高さんの腕を掴む大野さん。
これは一体どういう意思表示なのだろうか。
それは、矢口君にも日高さんにも解らない。
大野さんが何を考えているかは解らないが
三人揃って、電車で帰った。
・
・
・
そんな事があった後日・・・
矢口君は学校帰り、いつものように足がゲーセンに向かうも…
「今日はなんだか気分が乗らないな」
「…家でおとなしくセガサターンをやることにしよう」
渋谷での日高さんと大野さんの出来事、矢口君はその事ばかり考えていた。
二人の女性を同時に傷つけてしまった彼は癖でゲーセンに向かってしまったが、どうも気分は乗らない。
けど結局ゲームは家でやんのね。
家に帰ると、矢口君は気付く。
「いる…!きてる!!大野の姉貴が…っ」
矢口君、自分の家なのに泥棒みたいに帰宅。
「今は大野の姉貴に会いたくねーな…」
そう、きっと渋谷で何があったのかと問い詰められるに違いないと思った矢口君。
彼は今、大野さんと日高さんに今後どうしていいのかよく解っていない状況だ。
確かにこんな時に大野姉にギャーギャー言われたら私ならキレちゃうかもしれない。
矢口君の部屋は2階。ママと大野姉が居るのは1階。
大野姉が帰るまで、ヒッソリとセガサターンでも遊ぼうと本体のスイッチを入れる矢口君。
何故かテレビから爆音でサターンの機動音が鳴り響く。
「かかったな小僧」「テメ―がこっそり帰ってサターンを起動することを読んで音量を調整しておいたのさ!!」
姉の罠だった。
なんとも矢口君の引っかかりそうな罠を仕掛けるんだ、姉。
「ハルオ」「近頃のアンタのやんちゃっぷりにガマンの限界よ」
ママも立腹だった。
そらそうか、息子が女二人と朝帰りだ。
事情が事情だ、親であるママは矢口君を咎めなくてはならない。
高校生のクセに朝帰りなんて、とんでもねー野郎だ!ハルオ!!
一人怒りの矛先が違うママ。
「きゃんきゃんバニー」とは、1990年ごろにパソコンで発売された「ときメモ」と同ジャンルである恋愛ゲームの元祖、と言われているのであるが俗に言うエロゲーである。ママが言う「プルミエール」はパソコンで発売された「きゃんきゃんバニー」の3作目だったか4作目である。
で、その「きゃんきゃんバニー」はPCゲームであり、サターンではプレイ不可なハズなのだが…
「エロゲーのサターン移植作」
「なんで詳しいんだよ明日発売だよ明日…!」
そう、当時サターンにはエロゲーの移植が出てたのだ!
スーパーリアル麻雀もサターン!同級生・下級生もサターン!
サターンはプレステに勝ってたのだよ!エロもOKだったしね!!
エロ規制さえなければ…!サターンは天下を取っていたハズ…!!
何なのこの親子。
「あの小春って子と朝まで渋谷でナニしてたのか白状なさい…」
「で…電車がとまっちまって…始発までファミレスですごしてただけだ」
「そんで…朝の渋谷駅で大野とバッタリ会ったんだよ」
「それで3人で渋谷から朝帰りしたってワケか~っ」
「他に隠してることはないの!?」
「な…ないよ」
追い打ちを喰らう矢口君。
「・・・・ッ」だ。
あるだろ、大野さんも日高さんも傷つけたアレが…。
今こそ、大人の女性の前で懺悔すべきなのだ。君はまだまだ未熟な男だ。
その自分の軽々しい行動、過ちを今こそ反省するべきなのだよ。。
クズだった。
「渋谷の不良と化したアンタを連れ戻そうと晶が散々っぱら捜したこと知らなかったでしょう~」
「え!?」
「渋谷のありとあらゆるゲーセンをまわって…」
「チーマーの恐怖と隣り合わせの中」
「転んで血を流し…」
「雨に打たれながら…」
「必死でアンタを捜したそうじゃない…!」
「そうだったのか…だから早朝の渋谷に大野がいたのか…」
「俺を捜して…同じように帰れなくなっていたんだな…」
矢口君は今、何故大野さんが渋谷に居たのか謎が解けた。
あの場に何故大野さんが現れたのか、矢口君は自分が捜されていたとは思いもしなかったので不思議でしょうがなかった。
渋谷に居たのは捜されて居たから、発見されなかったのはゲーセンでなくボウリング場のゲームコーナーだったから、そして早朝に会ったのは自分らと同じく落雷の影響で電車に乗れなかったから。
だか、そんな事はどうでもいい。
自分を心配し、探してくれた大野さんを傷つけた。
それだけは、変わらない。
「…大野…」
クズ、両サイドからパンチハメを喰らう。
姉はハガー流の一撃ずつ、ママは前回同様ガイ式のパンチハメ。
ゲームに無縁だった姉とママはどんどんマニアックになってゆく。
「感傷に浸ってんじゃねェ」
「早朝に女連れてるオメーと遭遇した晶の気持ちを想像してみろ!!」
「私が晶の立場だったら八つ裂きもんだぜぇ!?」
厳しい意見だが、矢口君は言われても仕方のない事をしてしまった。
そう、大野さんの気持ちを考えるとカワイソウ(´・ω・`)しか出てこないが、大野姉の言う事もまた一つ。大野姉は矢口君の優しさを真横で見ていた人だから、今回の件で姉もガッカリしたのだろう。
「嘆かわしや」
「小春ちゃんもどんな気持ちだったことやら」
今回傷ついたのは大野さんだけではない、日高さんもだ。
彼女は矢口君の事が好きでしょうがなかった。いくら矢口君が大野さんを好きといえ、日高さんの気持ちを弄ぶような事はしちゃいけない。
矢口君がハッキリと断らないから、日高さんもまた、期待してしまったのだ。
そして、ママの手を見る感じだとまだパンチハメの最中らしい。
「女ったらしの糞童貞!!」
「中途半端な不良男子」
言われっぱなしの殴られっぱなしの矢口君。
彼は、それだけ言われても仕方ないくらいの事をしてしまった。
このパンチハメを喰らっている今、渋谷での事を反省し、以後女心を理解した上で今後女性を傷つけない紳士な矢口君へと生まれ変わってほしい。
そんな願いの込められた大人の女性二人から繰り出されるパンチハメ。
そんな叱咤激励のパンチハメに対し、生まれ変わったネオ・矢口君は…!
メガクラッシュで応戦。
そして、逃げる。
パンチハメをメガクラッシュでなんとか抜け出し、逃げるクズ。
とりあえず母と姉のパンチハメを回避すべく外へ逃げ出した矢口君。
「ここまで人から咎められることを俺はやっちまったのか?」と考えている辺り、大野さんと日高さん両者を傷つけた事をそんなに自覚していない様子。
紳士を極めた「ネオ・矢口君」への道のりはまだまだ遠い様だ。
家に居づらく、一人で遊べるゲームがやりてぇ~などと考えながら歩いていると…
クズ、拉致られる。
顔に紙袋を被せられ、本格的に拉致られてた矢口君。
そして、その紙袋を外した時、目の前に現れたのは…
大野さんだった。
13-CREDIT:「女の闘い…」
「晶ちゃんの 女としての意地…?」
「そう 前回は小春ちゃんに一本取られたわけ」
「ハルオくんと一晩過ごされて…一本」
「晶もこのままおめおめと引き下がれんでしょ」
大野さんは、日高さんと女の闘いで先に日高さんに先制されてしまった、とママに説明する姉。
平静を装うが、内心かなり悔しい想いをしただろう、と感じたそうだ。
その頃、矢口君は…
「今日は坊っちゃんが泊まると聞いていろいろ買ってきたのですぞ」
「泊まり!?」
大野さんに拉致られた矢口君は、大野さんちに泊まる事になっていた。
「男を家に連れ込んだりして…俺も大野もはっ倒されんじゃないのか」
矢口君は、大野家の厳しさを萌美先生を通して知っている。
萌美先生は今、休暇中で大野家には不在らしいのだが、それも不安な矢口君。
本当に平気なのか、そうではないのかは、大野さんが知っている。
多分、大丈夫。v(´ー`)v
・
・
・
矢口君、漢じいやが購入してきてくれたスーファミで大野さんと遊ぶ。
遊ぶゲームはファイナルファイト。⁽タフ⁾
このファイナルファイトを選択したのは大野さん。
大野さんはファイナルファイトを選ぶに狙いが一つあった。
「ファイナルファイト…初代アーケード版はよくやったなぁ」
「中学のときに大野が日本に帰ってきて…一緒にやったのがコレだったよな」
「小6んときもお前のハガーを見てド肝抜かされたな」
その狙いは、矢口君に昔を思い出してもらう事。
その狙いは大当たり。
矢口君は記憶と共に、その頃の感情も思い出す。
「あんときはな お前のことが憎くて憎くて仕方なかったんだぜ」
「いけすかねぇ女だと心底きらってたんだ」
「今となってはお前んちでゲームやってんだからなぁ」
「感慨深いぜ…」
矢口君は、小学生の頃を思い出した。
矢口君は、今なら言えると思った。
「渋谷でさんざん俺を捜してたみたいじゃんかよ」
「わ…悪かったな…」「いろいろわずらわしい思いをさせちまって…」
矢口君、大野さんに謝る。
渋谷での一件の後、そのまま帰宅しただけの3人。
当然、大野さんと矢口君は渋谷で会ったものの、何が何だか解らない状況だったのだ。
だが、大野姉から話を聞いた矢口君はこうして大野さんにちゃんと謝った。
「あ…あと…日高に対しても…」
「いろいろ気を使ってくれて…ありがとな」
矢口君、日高さんの事に対してもお礼を言う。
さっきまでクズと言っていたが、ちゃんと感謝と謝罪ができるのは素敵な事だ。
高校生くらいの時が一番言えないのよねぇ。(´・ω・)(・ω・`)ネー
「これからは溝の口のゲーセンにも顔出すから「ストゼロ2」の対戦しよーぜ」
いつも通りの矢口君だ。
渋谷な格好をするでもない。大野さんが好きないつもの「矢口君」
矢口君の対戦しよーぜの誘いに対して大野さんは…
とても嬉しそうだった。
・
・
・
「ねぇ真ちゃん 格ゲーってのは二本先取でしょ?」
「そ・・・晶は現状一本取られているから…」
矢口君が大野さん宅に泊まっているので邪魔しないように、と姉は矢口君宅に泊まっていた。
布団に入りながらも二人の会話は続いていた。
「もう一本取り返してイーブンにしたいワケ」
矢口君を家に泊め、一晩過ごした大野さんもここで1本。
現在1対1だ。⁽大野さんの中では⁾
そう、1対1だから、まだどちらも勝ってない。
「…ってことは3戦目にもつれ込むわね…女の闘い…」
1戦目は渋谷で一緒に居た日高さんが一本。
2戦目は拉致りつつも矢口君を家に泊めた大野さんが一本。
3戦目は…?
これから始まる。
「いや…昼前に起きたらもう家にいなかったよ」
「人を無理くり家に連れてきて黙ってどっか行くなんてよ…」
翌日、目が覚めると、大野さんは家に居なかったようで帰宅する。
大野さんは矢口君を置いてどこへ行ったのか。
日高さんに会いに行っていた。
「今向かってる所って…ゲーセンだったり…?」
コク
⁽やっぱり…⁾
「なんだろ…ただ私と仲良く遊びたいってわけじゃないはず…」
日高さんの予想は大当たり。
大野さんは日高さんの知らない所で1本取って来た。
ここで日高さんに勝利できれば、大野さん的には2本先取で勝利なのだ。
日高さんは何がなんだかわからない感じで大野さんについてきているが、大野さん的には今日はとても大事な勝負の日なのだ。
・
・
・
「今日私のところにきたのは -」
「矢口くんのことが関係してるんでしょ…?」
日高さん、大野さんの狙いに気が付く。
「ゲーセンに来たのも対戦が目的だったはず…」
何故、日高さんはゲーセンに呼び出されたかも気付く。
そして大野さんが今やっているのは「筋力・握力・目力測定マシーン」という謎のゲーム。
「やっぱりこの前のこと…」
「ハッキリさせたいからでしょ?」
大野さん、日高さんに考えを全て見透かされる。
以前バーチャで完敗している日高さん的にはゲームで決着は分が悪いと逃げられてしまうか…?
「もしそうだとしたら…私も受けて立つ…」
「私も大野さんと真剣勝負がしたい!」
日高さんは逃げない。
バーチャファイターで完敗した時に言った再戦の約束は今、果たされる。
「大野さんとの 最初で最後になる真剣勝負…」
絶対に
負けたくない
14-CREDIT:「私は…どうしても勝ちたい…」
無趣味で 勉強ばかりの学生生活だった…
いつも楽しそうな矢口くんに興味が湧いて…
徐々にゲームにも興味が湧いて…
気が付けばゲームも矢口くんも好きになってた
おかげで毎日が充実して楽しかった…
矢口くんは夢中になれるものを与えてくれた
真剣になれる楽しさを教えてくれた
大好きな人…
ずっと一緒にいたい
「…私は…どうしても勝ちたい…」
日高さんはどうしても勝ちたかった。
その強い想いに、ある男が応える。
反則級隠しキャラ、豪鬼。
スーパーストリートファイター2Xの隠しボスキャラ。
主人公のリュウ・ケンをベースに全ての技を強化したキャラクター。
いくらスーパーコンボが搭載されていないからと言っても反則な強さ。
日高さんは大野さんとのこの勝負、豪鬼で挑む事にする。
「緊張して手が震える…」
「豪鬼の出し方はわかってるつもり キャラ選択画面で…」
ちなみに、豪鬼の出し方であるが、サターン版のストリートファイターコレクションに収録されているスパ2Xだと、リュウを選んでからボタングチャグチャ押したら豪鬼を登場させる事ができた訳なんですが⁽実際どんなコマンドかは未だに不明⁾、アーケード版スパ2Xだと微妙に手順が面倒。
キャラ選択画面で「リュウ→ホーク→ガイル→キャミィ→リュウ」と、キャラごとに1秒待ち、最後にスタートボタンを押し、これまた1秒以内にパンチボタンを三つ同時押しで豪鬼を使用することができる。
とても面倒な隠しコマンドだが、やはりそれくらい難しいコマンドに設定しなくてはならない程強力なキャラクターなのだ、豪鬼。
ちなみに、最後にパンチボタン3つ押しに失敗や、1秒待たなくてはならないのが待てなかったりすると…
茶色いカラーのリュウを選択する事となってしまう。
ゲームセンターで茶色リュウを使用している人がいたら「あ…アイツ、豪鬼のコマンド失敗してしゃーなしにリュウ使ってんのかよ」と心の中で思っても良し!
日高さん、無事失敗。
日高さん、緊張して手が震えているせいか、失敗。
茶色のリュウで大野さんに挑む事に。
そんな大野さんはもちろんザンギで…
ホーク…
ガイル…
キャミィ…
「これ…大野さんも豪鬼を…?」
闘いに負けられないのは日高さんだけじゃない、大野さんもだ。
普段ならザンギで闘う大野さんだが、どうしても勝ちたいのは日高さん一人ではない。
そう、この女の闘い、勝てば良いのだ。
意地やプライドなどない、勝てば良い。
日高さんは大野さんより先に豪鬼を選ぼうとしたのだから、文句など言えない。
焦り始める日高さん。
ただでさえ強い大野さん+豪鬼。
日高さんのにわか仕込みのリュウ⁽茶⁾。
カッコつけて受けた勝負だが、闘う前から結果の見えそうな勝負だった。
大野さんのキャラ選択カーソルはとうとう最後のリュウへ。
後はスタートボタン押して、1秒以内にパンチボタン三つで豪鬼の登場だ。
「こ…」「殺される…」
日高さんには大野さんがこう見えるらしい。
何やってんだこいつら。
そう、緊張しているのは日高さんだけじゃない、大野さんもだ。
そして気を取り直して…
大野さんはザンギエフを選択。
日高さんが豪鬼で来るとしても関係なし、ザンギを選んだ大野さん。
だが、日高さんはキャラを変えない。
彼女は勝利を掴みに行く。
女の闘いが -
始まった。
「姑息だと 卑怯だと言われてもいい」
ひたすら打ち続ける作戦。
き…きたねぇ~~…。
当然日高豪鬼のきたない戦法により、ガードを固めることしかできないザンギエフのライフが削れ、タイムアップで判定負け。
日高さん、1本目ゲット。
そしてラウンド2へ。
大野さんは、一瞬の隙を見逃さなかった。
大野さんが見逃さなかった隙、それは日高さんの「自責の念」
これだけきたない戦法を繰り返す日高さんの「心の隙」だった。
その一瞬攻撃が緩んだ所に大野さんザンギは猛攻。
そして、結果は1対1だ。
最 終 ラ ウ ン ド
斬空波動拳で攻めまくる戦法はもう大野さんには通用しない。
どんなに撃とうと、ザンギのバニシングフラットでタイミングを合わせ、かき消す。
ここで大野さん、スーパープレーを魅せる。
歩きながらスクリューパイルドライバー。
「レバーを1回転させるコマンドだから」
「普通はジャンプしてしまうはず…」
そう、日高さんの言う通り、1回転のコマンドは普通はキャラクターもジャンプしてしまうのだ。
レバーを1回転というコマンドなので、下からでも上からでも1回転+パンチで必殺スクリューパイルドライバーが発動するのだが、1回転ゆえ↑を必ず入力してしまうのでキャラクターは空中にジャンプしてしまうのだ。
なので、当てる事を考えると、「ジャンプして相手に近づきつつ1回転を入力し、相手の目の前で着地と同時にパンチボタン」が妥当かと思われる。
それなのに大野さんが魅せた技は「歩きながら1回転+パンチ」だ。
再び、歩きながら近づくザンギエフ。
歩ている最中に、指のはじきの反動で1回転を入力。
そんな大野さんのスーパープレーを目の当たりにして日高さんは思った。
この人本当にすごい…
あの矢口くんが…心を奪われるわけだ…
大野さんのこの強さが
矢口くんへの想いの強さであれば…
私の付け入る隙なんて…
私の付け入る「好き」なんて…!
・
・
・
「アンタさぁ 免許取りなさいよ」
「私が乗ってるこれ…原付の免許」
「便利だよー原付は」
大野姉は、矢口君に原付の免許取得を勧めていた。
「ゲームだけじゃなくて己自信のステータスも上げたら?」
「男として磨きもかかるよ」
大野姉、いきなり核心を突く。
確かにそう、高校生って凄く中途半端な年齢なんですよ。
体は大人に近づき、アルバイトもできてお金も持ち始めて、でもゲームとか好きな感じで頭ん中はまだまだ子供。
そこで大野姉は矢口君に男を上げろと原付免許取得を提案。
「あとさ アンタ晶に対して対抗意識はあるんでしょ?」
「ゲームだけじゃなくていろいろ人としてさ…」
対抗意識かどうかは解らないが、肩を並べたかったのはそうみたいだ。
高校受験に失敗した矢口君が大野さんに気まずくて会えなかったのは、そんな所からだろうか。
「そのうち車の免許なんてポーンと取っちゃうよ?」
「そんときアンタどう思うかな?」
「差を付けられたと思って引け目を感じて…」
「心の距離も開いちゃうんじゃないのかな?」
「年頃の子だから…」
大野姉、矢口君を理解し、そしてもっと妹と仲良くしてほしいと感じた。
「己を磨け少年」
「免許取ったらこの原付は進呈してあげる」
「これに乗ってウチまで走ってきな」
「進化を遂げたハルオくんを見て晶がどんな顔するか」
「見てみたくない?」
今までの矢口君も悪くはないがもっと自分に磨きをかけて、良い男になれと言う姉。
まずは原付免許を取得する所から始めてみようと促す。
姉は、もっと大野さんと矢口君が仲良くなればと思った。
このままもっと、仲良くと。
矢口君は免許を取ればこの姉の乗るベスパ⁽多分⁾を貰えるという。
ベスパって、排気量変わっても車体同じだから大きいよねぇ。
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「大野家の指南役を務める者として長年あなたをバックアップしてきました」
「それもそろそろ…終わりが見えてきたようです…」
「晶さん…あなたにとって唐突な話かもしれません…」
「ロス在住のご両親がー あならを呼び寄せています」
「近々にというご意思であり 頃合いを見て…」
「7月末…」
「晶さんは日本を離れることになるのです」
「むこうの高校生活を経験しむこうの大学を出て」
「ロスでの生活に再びなじんでもらいたいとのこと…」
「私はできれば晶さんが日本の大学を卒業するまで務めを果たしたかったのですが…」
「大野家の方針とあらば首を縦に振るしかありません」
「決められた学校にいき」
「決められた場所に住み」
「決められた男性との結婚が待っている…」
「大野家指南役の立場としてこの方針になんの疑問も感じていませんでした」
「感じていませんでしたが…」
「個人的な意見としては」
「なんとさびしい方針かと…」
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矢口君、原付免許を取得した。
と、いう事で姉からベスパをゲット☆
「わぁ~~い」と言っているがそんな矢口君を「ガキか」と思うか「解る解るゥ」と思うかは本当にアナタ次第。
ちなみに私は後者。わぁ~~い。
「大野のやつに見せたらどんな顔すっかなぁ…」
「ゲームバカだけじゃねぇって証明できっかね」
姉の言ってた通りで、進化した自分をとにかく大野さんに見てもらいたい矢口くん。
解る、解るよぉ。僕も普通自動二輪の免許とバイクが手に入った時はとにかく進化した感ハンパじゃなかったし、何か色んな人に見て見てぇ~~な感じだったよー。
多分見させられた友達からは今思うと相当ウゼーと思われたんだろうなぁ(´・ω・`)
進化した矢口君を見て、姉も何だか嬉しそう。
そんな矢口君を大野さんの居る場所まで誘導。
いいなぁ、青春やのう…。
矢口君、大野さんを発見。
「どーよ 一番初めにお前に自慢しにきちまったぜ」
「ちょっと不思議な光景だろう?」
ハングオンくらいしかバイクと矢口君から連想できないというのに、そんな矢口君がスクーターを乗っているのだ。これは珍しい光景だ。
「息抜きしたくなったらいつでも呼んでくれや」
「コレに乗ってすっとんでいくからよ」
矢口君の優しさ
そのひとつひとつが
再び海外へ行く事となった
大野さんの心を締め付ける。
矢口君はまだ、その事を知らない。
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と、言う訳で寸借詐欺にあった私と、ハイスコアガールの大野さん、どっちがカワイソウ(´・ω・`)だろうか、という回でした。
長々と書いたものの、後編でカワイソウ(´・ω・`)登場減った上、本当は…
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大野さんの心を締め付ける。
カワイソウ(´・ω・`)
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って、オチ決めて書いてたのにいざ書いてると本当に可哀想でできませんでした。
【▼完結編】