【▲前編】
~主な登場人物~
【矢口くん】ゲームと大野さんが大好き。
【大野さん】お嬢様、矢口君とゲームが大好き。
【矢口くんのママ】若くて可愛いママ。保護者としては失格。
【じいや】大野さん専属のドライバー。
【大野姉】大野さんの姉。この人のせいで大野さんは大変。
【萌美先生】大野さんの専属家庭教師。変なメガネ。
~前回までのあらすじ~
高校生になった大野さんは、矢口君と会えない毎日が続いた。
大野財閥の令嬢である彼女はゲームや矢口くんと遊ぶより勉強が大事だそうだ。
萌美先生のスパルタに我慢できなくなった大野さんは家出をするが、矢口君により無事保護される。
これにて大野さん家出事件解決かと思ったが、まだ終わっていなかった。
終わってないとも知らず、帰宅して闘神伝を遊ぼうとしていた矢口君。
帰宅すると自宅には萌美先生。
そして彼は告げられる。
「晶さんとの交友関係を」
「今日限りで断ち切って頂きたいのです…」
5-CREDIT:「アナタは晶さんにとって厄介者です」
帰宅すると、萌美先生が居た。
そして彼女は矢口君に用があると言う。
その要件は「大野さんと縁を切れ」という内容。
どっからか現れたザンギエフも「は?」だ。
だが、萌美先生の言葉はまだ続く。
「友人関係が皆無である晶さんと仲良くしてくれた春雄さんには私も感謝しており…」
「こんな事を言うのは本当に忍びないです」
「晶さんは健気にも大野家の方針に従って努力しております…」
「高校生という精神的にもまだまだ危うい時期…」
「余計な刺激を今の晶さんには与えたくないのです…」
「晶さんとアナタは男性と女性の関係です…」
「若気の至りで何か間違いがあってはならないのですよ」
どっからか現れたザンギ、汗だく。
そらそうだ。萌美先生の言っている事は筋が通っている。
だが、子供にかける言葉ではないと私は思う。
でも、言い返せない。
そんな焦りからか…
ザンギ以外にもダルシム・本田・ビクトルがどっからか現れ汗だく。
一人、そんな萌美先生に負けない男が居た。
「ハルオ!!」
「お前とあの子がそんな安っぽい関係じゃないって事をぶちかましてやれ!!」
しょ・・・ッ 少佐・・・ッ!
そう、矢口君が困った時どこからか声を掛けてくれるガイル少佐。
矢口君が本当に困った時、彼は現れる。
そんなガイル少佐に声をかけられた矢口君。
彼の取った行動は…!
クズ、何も言い返せずサッポロポテト⁽BBQ味⁾を食べる。
「晶さんも春雄さんも学生であり学業という本分を全うし」
「立派な大人になるべく存在です」
萌美先生の攻撃は止まらない。
矢口君、サッポロポテトを食べているが、立場は劣勢のまま。
萌美先生はトドメを刺しにくる。
「「今」うつつを抜かしてる場合ですか?」
「二人が好むゲームとやらは「今」やらなくてはいけないものですか?」
「アナタは晶さんにとって厄介者です」
「晶さんは今 必死に前へ進む最中」
「アナタが足を引っ張っているのですよ」
矢口君、言葉が出ず。
←萌美先生の言葉と同時に現れたモータルコンバットのライデン。
きっと、このライデンが彼の心を表現しているのだろう。
もう、負けたというのに「FINISH HIM!!」と言わんばかりに追加で攻撃。
追加で攻撃っつーか惨殺。
きっと彼の頭の中で鳴っている音は「デデデーーーン」だ。
そう、究極神拳。彼は今萌美先生がキタナとかに見えているに違いない。
←キタナ
「…だから…もう干渉しないでほしいのです。」
「わかって頂けましたか…?」
萌美先生の言葉に矢口君は返す言葉が出ない。
ここで、ここで矢口君と大野さんは終わってしまうのだろうか?
そんな中、雨が降って来たため洗濯物を取り込む矢口ママ。「うひー」だ。
「うひー失礼しました…」
「突然のドシャ降りでビックラこきましたわ」
「季節の変わり目でしょうかね~」
大野さんとの縁切り話で追い詰められた矢口君。
だが、ママは急な雨で洗濯物を取り込みに行っていた。
空気が読めない訳ではない。今あった事が解っていないだけなのだ。
「いやぁ…業田先生も大変ですよね…」
「生徒の将来を思って教育しているのに反発されたりして…」
「指導員としていろいろ気苦労もおありでしょう…」
いきなり萌美先生の事を労うハルオママ。
そうだ、忘れてた、萌美先生は矢口君に話があると言いつつ、家出した大野さんの保護のお礼に来たんだった。
ママとしてはその事について話しているみたいだ。
矢口君が萌美先生に「FATALITY」されてるモンだからすっかり忘れてた。
「ただ…」
「私の息子に「厄介者」はあんまりですわ…」
ハルオママ、聞こえてた(`・ω・´)
「ハルオは…なんの手がかりもない状況で晶さんを長時間かけて探し出したんです」
「心の底から心配したからこそ出来る行為ですよ」
「決して下心などで動く人間ではありません」
「家庭によって子供の育て方が異なるのは当然でしょう」
「…でも あんまりがんじがらめにしては子供が気の毒です」
「教育者である業田先生に物申すわけではありませんが…」
「私は自分の息子をのびのび育てた事にまったくもって後悔しておりません」
「気立てのいい…本当に言い息子に育ってくれたと思ってます…」
「子供を心の底から理解したうえで」
「どうか業田先生も…後悔しない子供の育て方をしてください…」
このハルオママの言葉。
萌美先生の言う事もまた間違いではないのだろうが、ハルオがそんな人間ではないという事、そしてもっと子供たちを理解しろというメッセージ。
矢口君と大野さんの縁をここで切れたと思ったであろう萌美先生は…
「思想の違いでしょうか…私は私の信念でやらせて頂きます…」
引き下がらない。
だが、矢口君に大野さんと縁を切る事の返事をさせた訳でもない。
「小降りになってよかったですわ」
「傘をお貸ししますわよ」
帰る事にした萌美先生、傘を貸すというママ。
「いえ…」と遠慮する萌美先生だが…
「貸した傘はウチの息子が取りにいくか晶ちゃんに持たせればいいと思いますわ♡」
⁽この母親・・・あなどれないわ…₎
と、大野さんと矢口君が会えるように萌美先生に傘を仕込むという技。
そんな傘を差しながら帰る萌美先生。
「おふくろ…俺…ボロッカスに言われて何も言えんかったぜ…」
久々に喋る矢口君、FINISH HIM!!な状態は解けたようだ。
「いいのよ」「高校1年のクソガキが意見なんて言うもんじゃないわ」
「ハルオはハルオの思ったように動けばいいの…!!」
「俺…おふくろの息子でよかったよ…」
急にやって来た萌美先生は自身の教育方針にそぐわない矢口君を大野さんから切り離そうとした。
だが、それは矢口君の母により阻止される。
むしろ、今回の事により、矢口君と母の親子の絆はより深まるのであった。
矢口君が頼りにしている母は、やはり「母」であった、と。
そして ー
通信簿の結果によりパンチハメを喰らう。
6-CREDIT:「「今度」があるのかどうか」
高校の夏休みが始まろうとしている矢口君。
だが、彼の気持ちは重苦しいものであった。
萌美先生からは大野さんと縁を切れと言われるし
ママからパンチハメを喰らうし。
そんな彼の心の支えは1つ…。
簡単に説明すると、幕張メッセで行われるまだ発売されていないテレビゲームの試遊会などのゲーマーにとっては最高のイベントである。
AOUショーではないけど、私も10年前くらいに東京ゲームショーに行きました。
あれは楽しかったなぁ…不知火舞ちゃんのコスプレしたキャンギャルと写真を撮るもその写真はデータ移行せず新しい携帯にしてしまったため紛失・・・。
そして超気になってたKOF12は「開発途中でこの感じなら発売されたらどーなんの!?」とワクワクするもいざ発売で購入した感想は「あれ…開発途中版…これと何が違うの…?」と絶望したのを思い出しました。
私の思い出話はどうでも良いとして、「ここに…大野と一緒に行けたら楽しいだろうに…」
矢口君は、大野さんとAOUショーに行けたらなと考えるも…
やっぱり萌美先生がKITANAに見えたんじゃないかと思われる矢口君。
彼はどうしたら良いものか、と落ち込む。
←キタナ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
大野さんはいつものようにじいやの車に乗って移動。
そこでじいやが「前方のシートの引き出しをお開けください…」
ゲ・・・ゲームギア・・・ッ!
「車中は完全なお嬢様のプライベート…」
「お屋敷の中で駄目であればせめて車中ならと思い立ち揃えました」
じ…じいや…ッ!じいや…ッ!!(´;ω;`)
しかもラインナップのセンスが最高。
なんていい人なんだじいや…!稲川淳二とか言ってゴメン…ッ!
バックミラー越しにゲームで遊ぶ大野さんを見て「喜んで頂けたようで…」と大野さんの感情を理解するじいや。
大野さんの味方は矢口君だけではない、この漢・じいやもだ。
矢口君と会う事を禁じられ、勉強ばかりの毎日の大野さん。
じいやはまた家出をするようなストレスを大野さんに溜めてほしくないのだ。
そんなじいやの優しさは…
萌美先生によって消えてしまう。
そして…
じいやは大野さんの専属運転手をクビになってしまう。
ゴロゴロする大野姉。
そんな事があったと大野さんに話す。
大野さんはそんな話を聞いてじっとしていられなかった。
大野さんは申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
別に仕事自体クビになった訳ではなく、運転業務から外れ、屋敷内で違う仕事をする事になっただけであったらしく、大野さんに「あまり深く考えないように…」と漢・じいやの優しさが炸裂する。
「あの…お嬢様…」
「私の専属運転手の任は「今日」限り…どうでしょう?」
「しばらくご一緒出来ないのであれば…これからドライブにでも出かけませんか?」
じいやは大野さんに提案する、ドライブでもどうか?と。
「よりたい所もございますゆえ・・・」
ドライブだと言い、大野さんを降ろした場所…
そこは矢口君の家だった。
じいやがドライブでの行先を矢口君の家にした理由…。
「私はお嬢様が6歳の頃から専属運転手として仕えておりました。」
「しかしながら私の任は事情により今日で最後となりました…」
「つまりお嬢様がハルオ坊ちゃんと寄り合う機会が本格的に失われる事になりそうなのです。」
「私がお嬢様に与えられる時間はこれで最後…」
「せめてハルオ坊ちゃんとの時間を共有してほしくこうして参上したワケなのです…」
「どうか 今日だけでもお嬢様の心の支えになってやってください…」
最高の漢だぜ、じいや…ッ (´;ω;`)
じいやの願いを叶えるため、矢口君は…
大野さんとデート。
急すぎるがこれぞじいやの最期の願い。
漢じいやの願いとあっては、矢口君も本気で大野さんと遊ぶしかない。
夏祭りを横目に二人は歩く。
で、ゲーセン。
「おーやってるやってる」じゃねえよお祭り行けクズ。
だが、大野さんも矢口君もお祭りってガラではない、きっと2人が楽しいのはここ、ゲームセンターだ。
矢口君、めっちゃ楽しそう。
自分がプレーしても、一緒にプレーしても、更には大野さんがプレーしている所を見ていても楽しそうな矢口君。
じいやは大野さんのためにと漢を見せたのに、矢口君が一番楽しそうである。
だが、この感じが一番大野さんも楽しいのかもしれない。
これが矢口君と大野さんの一番のコミュニケーションなのかもしれない。
そんな感じで時間は過ぎていき、楽しくなりすぎてしまった矢口君は…
ちょっと頭がバグる。
「いい気晴らしになったろ大野」
ゲーセンで遊びまくった二人、もう日は落ち夜となっていた。
「満たされましたかね?お嬢様」
満たされてない。
誰だって解るこの大野さんの満たされてない表情。
そこまでは大野さん素人の私たちでも解る。
ここの大野さん玄人の矢口君の考察が始まる。
「空腹による切なさと怒りが交ぜ合わさったこの表情…!!」
「「何か食わせろ」…「何か食わせやがれ」という意思表示…!!」
ホントかよ、ソレ。矢口君、ホントかよソレ。
ホントでした。矢口名人、お見事。
大野さんの食欲を満たすため、デートはラウンド2へ。
大野さん、射的でFF6をゲット。
これには矢口君もテンション上がりまくりである。
そのFF6は…
大野さん、矢口君にプレゼント。
「ああ…大野んちはハードがないからな…」
そう、じいやが内緒でゲームギアを購入するくらいだ、ゲーム機なんぞある訳がない。
だからこそ、ゲームソフトは大野さん、矢口君にプレゼント。
だが、矢口君も大野さんと時間を共有したい。
「じゃ 今度ウチにやりにくりゃ・・・」
そう、なんていい言葉をかけてあげるんだ。
「一緒にやろう」この言葉が子供の頃に言えない人は、大人になっても言えないだろうと言うのが私の持論。
他人と何かを共有する、簡単なように見えて大人になってからコレがまた結構難しいのだ。
そんな「共有しようと」サラリと言える矢口君、素敵。素敵だ…!
・・・あ・・・
すんません、じいやが気を利かせてくれて実現したデートだって事忘れてました…(;´Д`)
矢口君は素直に思った事を言ったまでだったのだが、それは今を楽しむ大野さんにこれからの厳しい未来を想像させる一言となってしまった。
…「今度」があるのかどうか…。
大野のさっきの表情
なんとも言い表せねェ面だった
…また疎遠になっちまうのか…
っていうか何度目だよ こいつと疎遠になるのは…
…いや… …疎遠どころか…
これが最後に…
「大野って可愛い顔してんのな…」
これが最後に - とか考え込んでいた矢口君は綿あめを食べる大野さんをじっと見つめていた。そしてその視線に気づいた大野さんは照れてか綿菓子で顔を隠す。
そして、もう一度顔を出した大野さんにかけた言葉がコレ。
見蕩れる。というのはこの事なんだろう、きっと。
が、矢口君、照れた大野さんに蹴られる。
歩いて戻る二人、そこで目に入ったのは大野さんを待つじいやの車。
二人の夏祭りは、ここで終わる。
「んじゃあ…元気でな……」
その「元気でな」には、しばらく会えないだろうと考える矢口君の気持ちがあった。
「業田の萌美先生に負けるなよ…」
彼女の恐ろしさは矢口君も知っている。FATALITYされかけたんだから。
その矢口君の言葉の返事に大野さんは…
こうして、二人の時間は終わった。
大野さん…。
カワイソウ(´・ω・`)
7-CREDIT:「ハルオ君はホントいい男だわね」
矢口君との夏祭りの後の大野さん。
萌美先生の指導によるそれはそれは厳しい毎日だった。
習字のお稽古だろうか。
大野さんの筆で書く文字。
逆さまにすると何でその文字なのって気もしてくるが、これはきっと大野さんの萌美先生に対する小さな反抗、という事であろう。⁽適当⁾
そんなビシビシと鍛えられる大野さんを遠くから見守る二人。
ドライバーから掃除係へと転身したじいやと全ての元凶である姉だった。
大野さんを心配しつつ見守る大野姉だが、一つ気になっている事があった。
「ねーねーじいや 晶のカレシってどんな男なの?」
とくに言葉を発しない大野さんに男の影がある事を見抜く姉。
流石姉妹としか言いようがない。お見事。
「あの子をあんなに色っぽくさせちゃう男って…」
「どんな奴か見てみたいなって思ってね……」
気楽な大野姉、大野さんを色っぽくさせた男に興味津々。
来る日も来る日も大野さんはお勉強お勉強。
そう、大野さんはお勉強だけではない。
【剣道】
【空手】
【弓道】
そして…
ドサッ
小学生の時はバフッだったのに対し現在はドサッ。
疲れベッドに倒れ込むだけのシーンだというのに大野さんの身体的な成長まで感じる事のできる漫画、ハイスコアガール、凄いぜ。
以前はこのベッドに倒れ込む→ストレスで家出だった訳ですが、今回の大野さんは違う。
愛の力で頑張れちゃう大野さんカワイイ(`・ω・´)
が、大野さん、頑張りすぎて風邪ひいちゃった。
大野さんカワイソウ(´・ω・`)
いつもはうざったい姉であるが風邪を引いた大野さんにはとにかく優しい素敵なお姉さん。
弱った大野さんにヨーグルトを食べさせてあげちゃう。
大野姉、大野さんの宝物、プリクラを発見。
大野さん、暫烈拳でプリクラを取り戻そうとするも、リーチが足りず。
「ああ」「どんな男かと思ってたけど…」
「やっぱりあん時の子だったか…」
【▲あん時】
空港で大野さんを見送った矢口君だったが、安っぽい指輪をプレゼントど同時に泣き出してしまった大野さん、そして何故か矢口君の顔に攻撃。
その時に大野さんを止めたのが大野姉だった。
だから大野姉は矢口君を全く知らない訳ではなかった。
大野さんが風邪を引いて寝込んでいる頃…
矢口君はいつも通りゲーセンに居た。
ゴウガイザーや豪血寺一族の格闘ゲーム、バーチャコップ2やスポーツフィッシング2等、大野さんがよくやっていたゲームを見つめこう思う…。
素直でよろしい。
寂しがっている矢口君。「さみしいなー…」である。
そんな時に目に入ったのが…
「あ…あのうしろ姿は……」
居るハズがない。今あれだけ萌美先生の厳しい授業を受けている大野さんがゲームセンターなどに居るハズがないのだ。
だが、矢口君…!
「大野…!!」
勇気を出して声を掛ける…!
残念、大野姉でした。
ちなみに大野姉がプレイしていたゲームは脱衣麻雀。
矢口君に声を掛けられてチーのボタンを間違って押してしまったためノーテンになってしまったため敗北してしまったらしい。
大野姉自体はどうでも良いとして、女子が脱衣麻雀て…何か良いよね( ̄▽ ̄)
「晶の男友達と聞いてどんな奴かと思ってたけど悪いバカじゃなさそうね」
大野姉の目的は、大野さんを色っぽくさせた矢口君がどんな男かを見る事。
風邪を引いた大野さんに何かお見舞いを渡せと言う姉。
クレーンゲームの景品はどうか?と提案し…
姉、めっちゃ楽しむ。
そして結局楽しむだけ楽しみ、景品ゲットし帰宅。
姉的にも矢口君がどんな男かわかり、しかも妹のお見舞いの品までゲットできたから充実した一日になったであろう。
「にしても妹思いなんだなぁお姉さんは…」
矢口君は大野姉の大野さんに対する心配っぷりを見てそう感じた。
「晶に苦しい思いをさせちゃったのは私が元凶なんだもん」
「私が大野家の方針に沿ってればあの子があんな思いをせずにすんだかもね…」
自分が元凶て自覚あったんだ。
大野姉、矢口君に今日付き合ってもらったお礼にプレゼント。
ゲームソフトを渡す姉。そのソフトは…
ときメモ。
そして大野さんにもお見舞いの品を渡す姉。
どんなものでも矢口君から貰えれば嬉しいんだと感じる姉。
いや人形の顔。
その後も大野さんに代わり大野姉がよく矢口家に遊びに来るようになった。
この前大野姉からプレゼントされた「ときメモ」を一緒にキャッキャ遊ぶ。
矢口ママも一緒になってときメモをキャッキャ遊ぶ。
どうでも良いけど恋愛ゲームは自分の母と好きな子の姉の前では遊びたくない。
そして帰宅して「今日の戦利品」と称し携帯ゲーム機を大野さんのために矢口君から借りてきている大野姉であった。
妹のために優しいのか、それとも暇なだけなのか。
だが、こんな事もしていた。
「幕張のエーオーなんとかって所に行きたいって」
「叶うめぇと半分諦めてるようだけど切実だったわよ!」
そう、矢口君からの伝言伝達。
会えない上に携帯電話もないこの人達には大切な連絡手段である。
その後もゲームセンターにて大野さんに手土産をとクレーンゲームを頑張る姉。
取った景品見て「インパクトにかけるわね」と言い、ふと思う。
「晶のためだけのゲームとか売っとらんの?」
「ムチャな!あるワケないでしょそんなもの!!」
的確な返事である、矢口くん。
なんだよ大野さんのためだけのゲームってその発想。
「あるワケないけど作る事は可能だぜ…」
その手があったか矢口君。やるな!(`・ω・´)
ちなみに、「RPGツクール」とは、その名前の通り、「RPGゲーム」を「作る」ゲームなのである。私はプレステのやつしかやった事ないのでスーパーファミコンのRPGツクールは詳しく知らないのだが、もし同じ感じであるなら「作ってる最中はめちゃくちゃ楽しいけど、話を考える部分になったら難しい、イベントの設定が難しい、とりあえず完成させた人は見た事がない」といったゲームだ。面白いよ!
「おおのけクエストってのはどうだろうな」
矢口君、天才的な発想でオリジナルRPGを作成開始。
「どお?おもしろく作れそう?」
「いちゲーマーとして納得できるもんを作って見せますよ!」
「おおのけクエスト」の制作に取り掛かる矢口君、それを大野さんに渡す事を楽しみにしている大野姉。完成したら矢口君からスーファミごと借りる約束もした。
「ゲームってスゴイね ただ遊ぶだけじゃなくって…」
「これだけ人との関係値が出来ちゃうんだもの」
今までテレビゲームに興味のなかった大野姉、だが矢口君を通しテレビゲームで得られるものを違う視点から感じ取るのであった。
「大野にこのゲームをやってもらえると思うと楽しくてしょーがねーや」
矢口君も毎日毎日RPGツクールに向かい、ゲームを作る。
「うう…普段水をガブガブ飲むみたいにゲームを当たり前のようにやってたけど…」
「ゲームを作るってのはホンットに…大変だ…」
・
・
・
勉強中の大野さんを呼ぶのは大野姉。
「ちょっと骨休みにじいやの部屋に来なよ」
おおのけクエスト、完成。
今、矢口君が大野さんのために作ったゲーム「おおのけクエスト」を大野さんがプレイしているのだ。その内容はどういったものなのか。
大野さんが主人公「きょうもいえでじごくのおべんきょう」という始まり。
漢・じいやも登場。彼に話しかけるとセーブができるらしい。
本棚を調べると肉が出てくるらしい。
大野姉、本棚から肉はスルーで自分も登場するか気になってしょうがない。
モンスターは大野さんが日々向き合っているもの、という事で習っている空手や萌美先生の授業の一部、国語などだ。
大野さん、「おおのけクエスト」に夢中。
そういえば家庭用ゲーム機を持たないアーケードゲーマーな大野さんにとってRPGゲームはこの「おおのけクエスト」が生まれて初めてなのかもしれない。
「どお?これ作るのがどれだけ大変な事か…ハルオ君はホントいい男だわね」
おおのけクエストを遊ぶ大野さんの横で矢口君を褒めてみる姉。
照れちゃう大野さんカワイイ(`・ω・´)
「お そろそろ屋敷内の最初のボスってところね」
大野さん、おおのけクエストをさらさら進め、最初のボス戦に突入。
おおのアネキがあらわれた!
大野姉、無事ゲームに参戦おめでとう。ボスキャラとして。
「ちょ…ちょっとちょっと!!どーゆー事なのよコレ!?」とキレる大野姉。
大野さんは、とにかく楽しい気持ちでいっぱいだった。
翌日も家に帰っては「おおのけクエスト」をじいやの部屋で遊ぶ大野さん。
おおのけクエスト内には【ゲーム部屋】という場所がある。
この椅子と机みたいなのが並べられた部屋、その部屋の机に話しかけると…
ゲームセンターに寄れない大野さんのために矢口君から新作ゲームの情報がそこには詰め込まれていた。
ああ、懐かしい。ネオポケ版持ってました。ネオポケに出たのも驚きだけど、後にPS2に移植されたのもビックリでしたわ。
大野さんのために作られたゲーム、おおのけクエスト。
これは、大野さんの息抜きという事で作られたものだが、彼女にとって最高のプレゼントとなったであろうゲーム。
矢口君に会えない大野さんではあるが、姉を通し、ゲームを通し、矢口君の優しさを感じる大野さんであった。
スーファミとおおのけクエストを袋にしまい本日の息抜きは終わり。
大野さんの楽しみとなっている「おおのけクエスト」
遊びたくてしょうがないだろう大野さんではあるが、多分高橋名人の「ゲームは1日1時間」の言いつけを守りまた明日遊ぶ分を残しじいやの部屋から出る。
消えたスーファミ。
大野さんがゲームをやろうとじいやの部屋に行くも、スーファミがなくなった。
そもそもなくなるモンじゃない、スーファミって。
「おおのけクエスト」とスーファミは一体ドコへ消えたのだろうか。
「お目当てのものはもうありませんよ」
も… 萌美…ッ!?(。・ˇдˇ・。)
「あのようなモノをこの家に入れる事は絶対に許されないと言ったはずです…」
大野さんがじいやの部屋からルンルンで出て来る所を目撃していた萌美先生。
ゲーム機禁制の大野家に持ち込まれたスーファミを発見したようだ。
人のモンを流石に捨てたりはしないであろう萌美先生、多分没収したのだと思われる。
と、いう予想は全てハズレ、問答無用で処分されていた。
矢口君の優しさを「処分」されてしまった大野さん。
言葉ではなく、涙しか出ない大野さん。
大野さんは泣きながら部屋を後にする。
大野さん…超カワイソウ(´;ω;`)
8-CREDIT:「待てハルオ」
結局、大野さんとAOUショーに行く事は願いかなわず、だが、券は2枚購入したらしいので、矢口君はママと一緒にAOUショーに行く事にしたようだ。
「やーん☆久しぶりの息子とのデートだなんて楽しみだわ~♡」
ヒソカかよと言いたくなるくらい☆や♡をつけてテンション上がるママ。
矢口君も母が母が喜ぶならそれでいっか、と言った感じ。
一方、大野さんはスーファミ事件以降、萌美先生に心を完全に閉ざしていた。
「ギスギスしてるねぇ…さすがの萌美先生もキツイでしょ…」
萌美先生を心配してか、声をかける姉。
「やりづらかろうがどうであろうが関係ありません」
「晶さんを教育するのが私の役目…」
「人としてつらいでしょ…」
「晶の気持ちになってみなよ」
「外にも遊びにいけず友人も作れず…それでも耐えてアンタについていってるのに」
「唯一の楽しみを問答無用に捨てられて…」
「その捨てた張本人から毎日教育を受ける今の現状…」
「たまったもんじゃないわよ」
「これで本当に晶がまっとうな人間として育つと思ってんの?」
大野姉も今回の萌美先生の行動は流石に怒りを隠せないようだ。
大野さんという人間を姉妹でありよく知る姉。
その大野さんの心の支え、矢口君の優しさを姉も知っているのだ。
それを問答無用でと捨ててしまった萌美先生に今回黙っていられないようだ。
それと…
「先生をああやって無視する晶の姿は見たくなかったわ…」
変わってしまった大野さん、そんな妹を見たくなかった姉。
どうあれ結果大野さんを深く傷つけてしまった萌美先生。
彼女には1つ、頭から離れない事があった。
「子供を心の底から理解したうえで 後悔しない子供の育て方を…」
矢口ママの言ったこの言葉、萌美先生はそれがずっと気になっていた。
バイトする矢口君。
食品工場のような所でバイトする矢口君、彼以外の男子はみんな辞めてしまったらしく、積み込み作業など力仕事をパートのおばちゃんにやらすまいと誰相手にも紳士な彼であった。
そんなアルバイト先に…
萌美先生、登場。
そら矢口君、驚くよね。
彼女は一体何の用事があって矢口君を訪ねて来たんだろうか。
萌美先生、矢口君に謝罪をしに来たのであった。
ちなみに矢口君は謝罪はとにかく意外で萌美先生を「おおのけクエスト」のラスボスにした事がバレて怒られるのかと思ったそうだ。
「ハルオさんの私物であるファミコンというものを私が破棄してしまったのです。」
「取り返しのつかないデータもあったようで…」
矢口君のおおのけクエストのRPGツクールとスーファミを捨ててしまった事を謝罪。
この漫画でも触れるのだが、何故ゲームに興味のない大人はゲーム機全般を「ファミコン」と呼ぶのだろうか。
挙句の果てに4MBカードリッジを刺したセガサターンを見て…
「このゲーム機、ファミコンできないと思ったらファミコンできるのね!」等と意味不明な事を平気で言っていたのを思い出す。
「あ…イヤ…貸したコッチにも非があるし…」
等とどうでも良いファミコンの話をしている間にも矢口君、スーファミを捨てられたというのに自分に非があるとか言う。なんて紳士なんだ…。
「…それでも…弁償はさせていただきます…」
矢口君が紳士なら萌美先生は大人。
一度自分で捨てたものを新品で購入するのは一体どんな気分なのだろうか。
いや、これぞ萌美先生の反省と戒め。
「教育目的とはいえ今となっては感情的な行動を起こした事を恥じております」と反省しているのだ。
萌美先生が用意したファミコンは…
そう、ファミコンといえば任天堂の発売したゲーム機なのだが、当時互換機も発売されていた。
このツインファミコンは家電メーカーであるシャープが発売したファミコンの互換機である。
ファミコンの互換機という事は、もちろんファミコンソフトが遊べる訳であるのだが、では何が「ツイン」なのか?という所だ。
そう、お気付き・ご存じの方もいらっしゃると思うが任天堂の発売した「ファミリーコンピューター」と「ディスクシステム」の両方がこの一台で遊べてしまうのだ!
それがツインファミコン!凄い…凄すぎる…!!
これはスーファミではない。
萌美先生捨てたのはファミコンの次世代機「スーパーファミコン」だ。
当時現行機の一個前のゲーム機を購入してきちゃった萌美先生。
それにいち早く気付いた矢口君もこの表情だ。
そして、萌美先生の選んだ気になるソフトは…
あんた最高だよ、萌美先生。
ちなみにツインファミコンとジーコサッカーを弁償して貰った矢口君の感想は…
「飛ばしてくるぜこのモエミ先生は…」であった。
「大野となんかあったんですか…?」
この萌美先生の行動が意外だった矢口君、萌美先生と大野さんの間に何かあったのではないか?と考える。ご名答。
「おおいに嫌われてしまいました…」
「晶さんを立派にするために鬼に徹する事が正義と思っておりましたが」
「それは私の独りよがりだったのかもしれません…」
「毎日 晶さんと顔を合わせているのに…」
「日に日にあの子の事がわからなくなります…」
萌美先生も悩んでいた。
教育に対する考え、大野家令嬢を任された責任、自分の正義。
そして、どんどん解らなくなる大野晶。
毎日顔を合わせているのに理解できない大野さんをよく理解する矢口君の存在。
萌美先生は、矢口君が大野さんを理解できているのは「愛」ではないかと考える。
「ハルオさんはあの子の事をどう思ってらっしゃるの…?」
「アイツは俺にとって越えられない壁で…んでもって尊敬できる女で…一緒に遊びてぇなぁ~~って思わせて…変なやつだけどそこがおもしろくてこまってっとほっとけなくなるし…んでもって…」
「俺が支えになれたらいいなぁ~~とか思ったりして…」
そこまで言って何故「好き」の言葉が出てこないのかと絶句する萌美先生。
一応大人な女性の萌美先生。
矢口君を導いてあげる。
「ハルオさん それがどういう気持ちかわかってるの…?」
素敵なパスである、萌美先生。
デキる大人は言うんじゃない、言わすんですよ。
クズ、何も言えない。
そういえばまだバイト中であった矢口君。
主任が呼んでいるという事でこの萌美先生との会はお開きである。
萌美先生の心も矢口君と話して少し落ち着いたようだ。
「アナタが悪い虫じゃなさそうって事がわかって…」
萌美先生も矢口君という人を少し理解してきたみたいだ。
急に矢口君の御宅訪問した時と明らかに彼を見る目が変わった。
前は「大野晶にひっつく悪い虫」であったが今は「大野晶の理解者」という風に見られているのだろう。
「心から理解したうえでの教育… 相手を尊敬し慈しむ心構え -」
上から押さえ込むだけじゃ 伸びるものも伸びない。
そんな事を思いながら、萌美先生は帰るのであった。
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気が付けばAOUショーの日になっていた。
それを「アオウショー」と言っちゃうママ、ゲームに興味はないが息子と出掛けるのは楽しみにしてました☆感がとても伝わってくる。
「早く早く!信号が変わっちゃうわよっ」
「あーハイハイ」
どっちが大人なんだこれ。
信号を早く渡ろうと言うママ、あーハイハイと歩く矢口君。
「待てハルオ」
この声は…
やはりガイル少佐。
彼が現れたという事は今、矢口君は本当に困っている時…?
いやいや、そんな馬鹿な。矢口ママと一緒にAOUショーに向かうだけだ。
何故ガイル少佐が現れる。
「しばしそこで待つのだ」
「ハルオよ…」
ガイル少佐、「待て」という。
一体なんだと言うのだ。
「何ぼーっとしてんのよもう」
「あ ホラ 赤になっちゃったじゃないの」
ウキウキなママ、彼女にはガイル少佐は見えていない。
ガイル少佐は矢口君にだけ見える。
困った時に助けてくれるのだ。
だが、今は何故現れたのかは不明だが、とにかく「待て」というから従ったのだ。
矢口君はガイル少佐に言われ、とりあえず待っただけなのだ。
待った先に何があるのかは、知らない。
大野さんがいた。
傘。
←この時に萌美先生に貸した傘。「晶ちゃんに持たせればいいと思いますわ♡」とは言ったものの、矢口君もママも流石に不意すぎるタイミングで本当に大野さんが傘を持ってきた。
一体、何故今傘を持ってきたのか。
矢口君と話した萌美先生に、少し変化があったから。
矢口君がどんな人間であるか理解した萌美先生、そんな大野さんを理解し、距離を縮めるにはやはり矢口君だ思った。
まだ萌美先生も素直に全てを言えないのか、矢口ママが仕掛けた傘を逆に利用する事にしたみたいだ。
「で…今日はもうアレですから お休みにしますか…」
「なーにボーッとしてんのよ!!」
「こーんな偶然のめぐり合わせ普通考えられる!?」
「「ときメモ」で学んだすべてを今日にぶつけてやるのよ!」
とても楽しみそうにしていたママではあるが、自分の出番はないと大野さんと矢口君二人で行く事を提案。
「大野と会ったらいろいろしゃべりたかった話…」
「頭からスッポリ抜け出ちまった…」
仕方ないと思う(((uдu*)ゥンゥン
久々の再会だと言うのにタイミングが不意であり、急でありすぎる。
ただ矢口君と会いたかった大野さん、大野さんとAOUショーに行きたかった矢口君。
不意だろうと急だろうと、二人には関係ないハズなのだ。
だからこそ…久々なんだから…その…
楽しんでくれ…!
このままじゃ…楽しめないだろ二人とも…!(;'∀')
ギューギューな電車。
幕張に近づいてきているものの、久々の大野さんに矢口君はまだ緊張気味だ。
「見ろよ大野 これ海だろ?」
電車から見える風景で話を振って見る。
久々に会った大野さんと少しでも楽しく過ごすためにはコミュニケーションだ。
いつ、どんな人でも基本を忘れてはいけない、コミュニケーション。
とか言ってたら揺れる電車。
あ…!
ああ…!大野さん…!
手を握る大野さん、そして表情。
大野さんはずっと矢口君に会いたかったのだ。
今、ここに来るまでに色々あった事を思い出してほしい。
家出した時、一番に自分を見つけてくれたのは矢口君。
その夜、「俺が何かできればな」と言ってくれた事
プリクラを撮った事…
可愛いと言ってくれた事…
もう会えないとも思った。
会えないのに自分を応援してくれた。
大野さんは、そんな矢口君に会いたかったのだ。
電車が揺れて、手を握った。
ハルオ・・・、わかっているな…。
男を見せろ、矢口ハルオ…ッ!
ハルオ…ッ!?
ハルオ━━━━━━ヽ(´∀`*)ノ ━━━━━━!!!!
可哀想な事もあったし、悲しい事もあったけど…
良かったね、大野さん!
【▼後編に続く】