NEOGEOのゲームには親切なお約束があった。
タイトル画面でコインを入れるとほとんどのゲームに
操作説明である「HOW TO PLAY」が搭載されているのである。
この操作方法さえ見ておけば「は?何このゲーム、意味ワカンネ」な事は多分ない。
対戦格闘ゲームの場合、必殺技や超必殺技の解説まではないが
パンチだとかキックだとか、その他アクションの解説をしてくれる。
これは餓狼伝説スペシャルの操作説明なのだが、お気付きだろうか。
対戦格闘ゲームの場合、主人公とライバルが操作説明役を務めるのだ。
次に、龍虎の拳1
対戦相手は藤堂竜白、これは当然の結果である。
⁽良かったら藤堂に関してはこちらの記事を参照して下さい。₎
話は戻して龍虎の拳2
極限流の龍と虎、やはり主人公とライバルが務めている。
そしてサムライスピリッツである。
え?右京て覇王丸のライバルだったの?
と思ったのは私だけだろうか。
橘 右京
確かに、剣を振るうというのが共通点ではあるが、主人公の覇王丸とは全てが
「真逆」な男であった。
豪快に刀を振り回す覇王丸に対し
右京は抜刀術であったりとか。
「剣に女は不要!」と女性を振る覇王丸に対し
「キミにその花をささげるために。」と女性にアタックする右京。
というかもう、参考文献⁽Wikipedia⁾にも「覇王丸のライバル的キャラクターとして「陽」の覇王丸に対し「陰」の存在として右京が考案された」とのことだ。
知らなかった!右京は覇王丸のライバルだったんだね!!
そして次回作、真・サムライスピリッツで
橘右京は操作説明画面から姿を消したのであった。
今回は、何故「右京は覇王丸のライバル」になれなかったのか?を考えて行きたいと思います。
☆歴代サムスピの操作説明は誰が行ったのか?
初代:橘右京
93年、サムスピ初代登場。
左に居るのが主人公「覇王丸」
世界には様々な剣術使いが居る事を聞き、強い人間と闘うため旅に出る。
強い奴をバッタバッタ切り倒してたらいつの間にかラスボスの天草四郎時貞までも斬っていたという男。
右に居るのがライバル⁽だと思われた⁾「橘右京」
居合いの達人で肺病を患っていて、基本咳き込むか無口である。
片思いしている「小田切圭」という女性に「究極の花」を渡すために旅をしていたら何だか天草と闘う事に。
小田切圭、花を右京からプレゼントされた彼女であるが、圭殿、婚約者が居るため右京氏は叶わぬ恋であったらしい。
所感:操作説明で一緒しただけで二人に関わりはあまりなかった。
二作目「真」:牙神幻十郎
左は初代から引き続き主人公の覇王丸。
実は覇王丸には師匠が居たのである。
花風院和狆⁽かふういん にこちん₎である。
そしてその同門であり、兄弟子が「幻十郎」
真サムスピの時点で金で人斬りを請け負っている剣客という事もあってか、暗黒に近すぎたその魂を和狆に看破され、破門されたのであった。
それ以降、金や女よりも同門であった「覇王丸を殺したい」という欲が彼を占め、覇王丸を付け狙う様になる。
所感:あれ?設定が右京より幻十郎の方がライバルに相応しくない?
三作目「斬紅郎無双剣」:緋雨 閑丸
左が覇王丸に変わり主人公を務める「緋雨閑丸」⁽ひさめしずまる⁾
右が今まで主人公を務めた「覇王丸」
閑丸は記憶をなくした少年。
自信の記憶の手掛かりである「鬼」⁽ラスボスである「斬紅郎」₎に出会うため旅に出る。
覇王丸との関係はこの頃とくになかった気がするのだが
閑丸は「主人公」覇王丸は「元主人公」だから操作説明を務めたのかもしれませんね。
所感:必ずしもライバルが操作説明を務める訳ではないようだ。
四作目「天草降臨」:風間火月
左が再び操作説明の左側に舞い戻る「覇王丸」
右が今作の主人公である風間兄弟の弟、「風間火月」⁽かざまかずき⁾
今作の物語の中心は抜け忍と追い忍である「風間兄弟」であるのだが、元の1Pカーソルは覇王丸にあてられている。⁽大体1Pカーソルは主人公にあてられる₎
閑丸は…?
所感:もう主人公でなくても操作説明に参加できるらしい。
五作目「零」:徳川慶寅
左はお馴染み「覇王丸」
右は新キャラで零の主人公「徳川慶寅」⁽とくがわ よしとら₎
零は初代サムスピより以前の物語とされている。
初代以前の物語で主人公を務める「慶寅」とその後の主人公「覇王丸」が操作説明を務める。
所感:気付けば覇王丸と新主人公というのがお約束に。
零の調整版である「零スペシャル」でも同じ二人が務める。
零の調整版であるので、当然の結果と言える。
総評:右京は何で一作目で操作説明画面に居れたかが不思議。
☆右京と覇王丸には何か接点はないのか?1
上で紹介した通り、むしろ何故右京が選ばれたのかが不明でしかない。
覇王丸のライバルの座は兄弟子「幻十郎」に食われ
覇王丸自体も主人公の座を奪われている。
が、覇王丸、なんとか主役の座は譲るものの、操作説明画面にはフル参加という快挙を成し遂げる。
ここで、覇王丸と右京は何かライバルに相応しい設定が無いかを歴代サムスピのエンディングから探って見る事にした。
【初代】
初代サムスピは先程も紹介した通り、叶わぬ恋、小田桐圭に対し「究極の花」をプレゼント。
これで結ばれない上、ライバルでもないというのが彼の残念な所だ。
【真】
初代のエンディングで渡した花は「究極の花」でなくまさかの「カトレア」だった事が判明し、今度こそ「究極の花」を小田切圭に渡すため、右京、魔界へ。
が、魔界に居た真サムスピのラスボスの「羅将神ミヅキ」を撃破すると魔界の入り口は閉じてしまう。
流石の右京もあたふた。
が、肺を患う右京。すこぶる体調が悪そうだ。
その頃、小田桐圭の所に「花の形をした雪」が降る。
それは「究極の花」を手に入れる事のできなかった右京が
氷で小田桐圭の彫刻を作っていた削り屑だった。
月日は流れ、小田桐圭と思われる老婆が子供に語る。
「キミにその花をささげるために。」⁽キリッ
とかやってた初代とは違い、何か悲しいエンディングだった。
【斬紅郎無双剣】
斬紅郎無双剣では、鬼⁽斬紅郎⁾の前に散った同門や師匠の仇を取るために闘う彼だがエンディングでは…
俳句読んでた。
【天草降臨】
エンディングでは許嫁の居る圭に対し、それでも
「この命の華、けい殿ためにさかせてみせよう。」と男気溢れる右京。
一句読んでた。
【零】
ラスボスの兇國日輪守我旺⁽きょうごくひのわのがみガオウ₎に仕えていた「黒河内 夢路」⁽くろこうち ゆめじ₎はかつて右京の親友であり、同門であった。
幕府に反旗をひるがえした我旺であったが戦に敗れた。
夢路はそんな我旺の腹心であった。
「天下の大罪人になりはて母に如何なる姿を晒せるでしょうか」
夢路の出した答えは右京に「首斬ってくれ」と頼む事だった。
その願いに対し右京、夢路の髪を切る。
「夢路殿。生きられ…よ。」
右京の出した答えは何だか花の慶次で見たことがある様な気がしたが夢路に生きる事を伝え、その場を去り
一句読んでた。
☆右京と覇王丸には何か接点はないのか?2
右京のエンディングを簡単にではありますが紹介させて頂きました。
お気付きの通り、覇王丸の存在は皆無であります。
だが安心して下さい。
実は4作目「天草降臨」には全キャラに「ライバルキャラクター」が設定されているのです。
【覇王丸の場合】
やっぱりそうだよね感はありますね。
覇王丸のライバルは真サムで操作説明を務めた「幻十郎」
じゃあ、右京目線から見たライバルキャラクターは誰なのか?
右京は誰をライバル視しているのか?それはやはり初代で操作説明を一緒に務めた覇王丸なのではないだろうか?
【右京の場合】
何故お前なんだ狂死郎。
まさかの右京のライバルは千両狂死郎。
何故なんだ右京。歌舞伎に興味があるのか右京。
右京の興味は不明だが、狂死郎は右京に興味深々である。
☆右京と覇王丸には何か接点はないのか?3
エンディングでは絡み無し、ライバルキャラクターは何故か狂死郎。
今のところどんなに掘り下げても初代の操作説明画面に何故か一緒に居たくらいしか接点がないのだ。
ライバルキャラか藤堂竜白くらいしか操作説明画面に登場できない90年前半のNEOGEOで操作説明に登場した右京。
彼は主人公、覇王丸のライバルでなかったら一体なんだというのだ。
もしかして、強さの設定が右京と覇王丸は互角とかそんな設定なんだろうか?
あの強そうな覇王丸に対抗できるのが右京だけ。
設定上の関係や強さ的なポジションで幻十郎が彼のライバルになれたとしても、幻十郎は2作目からの登場で、右京は一作目から登場。
この考えが正しければ、初代サムスピの操作説明を務めたのは納得である。
なんと、その右京と覇王丸の力量が測れる資料は何故か狂死郎が右京のライバルである4作目「天草降臨」の覇王丸のエンディングにあった。
天草を倒した覇王丸、彼はまた強者を求め、旅立つ。
天草を倒した覇王丸、世に平和が訪れた。
その半年後 ー
右京は覇王丸に斬られていた。
いや!待って!もしかしたら激闘の末この結果になった可能性だってあるかもしれないですし!!(;´Д`)
「かー弱えぇ」だった。
覇王丸vs右京、その結末は「かー弱えぇ」だった。
以上の通り、物語的に共通点もなく、初代以降操作説明画面に一緒する事もなく、実力的にも「かー弱えぇ」である右京は間違いなく覇王丸のライバルではないというのは誰もが感じている事だと思います。
操作説明画面に居たから「ライバル」説が間違いであったというのがまず1つ。
ただ、タイトルにもなっている「何故右京はライバルになれなかったのか?」という結論はまだ出ていないと思います。
そう、なれたかも知れないチャンスと可能性はあったのだ、操作説明に出演した時点で。
じゃあ、何故なれなかったのか?
初代サムスピに公式ライバルの「幻十郎」が居なかった訳であるが、実は他にライバルが居たのではないだろうか?
ラスボスである「天草四郎時貞」を撃破し、最強となった覇王丸。
ただ、そんな彼が一人だけ、勝敗がどうなったのか解らない強者が居た。
ラスボス、天草に対しまでダメ出しをする覇王丸。
覇王丸の所に寄る女性。
彼女の名はおしず。覇王丸事を愛している様子。
天草だけでなく、おしずまでバッサリ切る。
流石は覇王丸。剣の道に女は不要。
が、ちゃんとフォローを入れる覇王丸。
男の中の男だぜ。
が、飛び去る。
天草を斬り、おしずを振り、彼が向かった先はどこなんだ。
一体誰が待っているのだ。
そう、そこに居る人こそ。
彼が唯一勝敗不明の強者。
舞ちゃんだった。
当ブログのアイドル、不知火舞ちゃん。
A.初代では舞ちゃん、以降は牙神幻十郎がライバルなため。
という結論で締めたいと思います。
右京…こうして掘り下げると可哀想なキャラなんだな…と思いました。
肺を患い、キャラ選択画面で彼に合わせると咳き込んだりと設定上病弱だったり、小田桐圭には叶わぬ恋、そして覇王丸からは「かー弱えぇ」である。
だがそんな右京よりも残念で可哀想な人を私は知っている。
それは…
あと2日で年も明けるってのにこんな記事を書いてる
俺じゃないかな。